アメリカでSNSの利用により子どもが性被害を受けて画像を拡散され、自殺に追い込まれるなどのケースが相次いでいます。この問題をめぐり、SNSを運営する企業のトップらが出席する公聴会が開かれました。

アメリカでは3年前に少女がSNS上で性的画像を要求され、同級生の間で拡散されて自殺に追い込まれたり、子どもがSNSを通じて合成麻薬「フェンタニル」を購入し、使用後に死亡するなどのケースが相次いでいます。

アメリカ議会上院ではこうした問題をめぐり、フェイスブックやX、TikTokなどのSNSを運営する企業のCEO=最高経営責任者らが出席する公聴会が開かれました。

グラム議員
「そんなつもりはないと思いますが、あなたたちの手は血で汚れています。あなたたちは人を殺す製品を持っています」

公聴会の冒頭には「SNSの利用で性被害を受けた」と子ども自身が話す映像が上映され、委員会の委員長は「技術の進歩により、子どもの性被害が増加している」と強調しました。

議員
「なぜ、TikTokは子どもたちに対する商業化された性的搾取を容認しているのですか」
TikTok チュウCEO
「恐れながら議員、その表現には同意できません。ライブストリーミング製品は18歳未満向けではありません」

議員からは厳しい質問が相次ぎましたが、CEOらはSNSの利用に年齢制限を設けるなど、子どもを保護するための対策を取っていると説明しました。

また、公聴会の傍聴席にはSNSが原因で子どもが被害を受けたと訴える家族らも集まりました。

メタ ザッカーバーグCEO
「私たちの仕事は、人々の安全を守るためのツールを作ることです」
議員
「(被害者に)賠償するつもりか?」
メタ ザッカーバーグCEO
「私たちが真剣に取り組んでいるのは、有害コンテンツを見つけ出すツールを作り、排除することです」
議員
「金儲けのためだね」

議員
「子どもたちの写真を掲げている人たちに謝罪したいですか?善良な人たちにあなたが何をしたか、謝罪したいですか?」
メタ ザッカーバーグCEO
「皆さんが経験されたことにお悔やみを申し上げます。ご家族が苦しめられたことを知り、恐ろしい気持ちになります。ご家族が経験された苦しみを他の誰も経験しないで済むよう、私たちは多くの投資を行ってきましたし、これからも業界をリードする取り組みを続けていきます」

議員がメタのザッカーバーグCEOに対して謝罪するよう促し、ザッカーバーグ氏が向き直って謝罪する場面も見られました。