イランと隣国パキスタンが互いに相手国への越境攻撃を仕掛け、緊張が高まるなか、パキスタン軍は18日、「二国間の問題を解決するには対話と協力が必要だ」とする声明を発表しました。
パキスタン軍は18日、イラン南東部にある過激派組織の拠点を攻撃し、イランメディアによりますと、9人が死亡したということです。
これはイラン側が16日、パキスタン南西部にあるイスラム教スンニ派の武装組織の拠点を攻撃したことへの報復とみられます。
このスンニ派の武装組織はシーア派国家のイランと敵対し、イラン国内で警察署への襲撃などを繰り返していますが、今回のイランによるパキスタンへの越境攻撃は前例がないとみられ、パキスタン政府は「主権侵害だ」と強く反発していました。
相手国に対する攻撃の応酬で両国の緊張は急激に高まっていますが、パキスタン軍は18日に発表した声明で、「二国間の問題を解決するには対話と協力が必要だ」と強調しました。
一方、国内外に反政府勢力を抱えるイランは相次ぐテロ事件への報復として、シリアやイラクにもミサイル攻撃を加えており、イランをめぐる情勢の緊迫化が地域のさらなる不安定化につながるおそれもあります。

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