パキスタン政府は18日、イラン国内にいる過激派組織の拠点に対し軍事攻撃を実施したと発表しました。2日前にイラン側がパキスタン国内への攻撃を行ったことに対する報復とみられます。

パキスタン外務省は18日、「けさ、イラン南東部・シスタンバルチェスタン州の過激派組織の拠点に精密攻撃を行った」と発表しました。

攻撃の理由については「イラン国内にいるパキスタンの過激派組織が近く、大規模なテロ行為を企てているという情報を受け実施した」としていて、イランの国営メディアは9人が死亡したと伝えています。

イスラム教・シーア派が多数を占めるイランでは、隣国パキスタンで多数派を占め、対立するスンニ派のイスラム武装組織が去年12月に警察署を襲撃するなど、反体制活動を続けています。

16日にはイランがパキスタン領内にいるこの武装組織の拠点を攻撃していて、パキスタン側は「露骨な主権侵害だ」などとして、報復の可能性を示唆していました。

イランはシリアにある過激派組織「イスラム国」の拠点やイラク北部のクルド人自治区を弾道ミサイルで攻撃するなどしていて、イランによる越境攻撃で地域情勢がさらに悪化することが懸念されます。