ロシアのプーチン大統領は対ロシア制裁が「世界的危機を引き起こしている」と述べ欧米を批判しました。

ロシア プーチン大統領
「制裁が世界的な危機を引き起こしている」

プーチン大統領は12日、経済問題に関する会議で、欧米の対ロシア制裁によりヨーロッパなどで急激なインフレが起き、最貧国は飢餓のリスクに直面していると指摘。「この責任は他の地域を犠牲にしても世界を支配し続けようとする欧米にある」と強調しました。

そのうえで、プーチン氏は今年の穀物収穫が1億3000万トンに達する見通しだとし、このうち小麦は8700万トンが見込まれ、「ロシアの過去最高記録になるだろう」と話しました。また、通貨ルーブルについて為替レートが上昇し、「世界の通貨の中で最高のダイナミクスを示している」と述べ、制裁に対応できていると主張しています。

こうした中、タス通信によりますと、ロシア国営ガス会社「ガスプロム」は12日、ポーランドを経由してドイツに天然ガスを送るパイプライン「ヤマルヨーロッパ」を通じた供給を停止すると表明しました。

パイプラインの一部を所有するポーランド企業がロシアによる制裁の対象となったためで、実際に停止されれば、ドイツに影響が出る可能性もあります。