中東・パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区で、中東の衛星テレビ局アルジャジーラのジャーナリストが、イスラエル治安部隊による作戦を取材中に銃撃され死亡しました。

アルジャジーラによりますと、ヨルダン川西岸地区のジェニンで11日、難民キャンプで行われていたイスラエル軍による急襲作戦を取材中のシェリーン・アブ・アクレさんが銃撃を受け、死亡しました。アブ・アクレさんは「PRESS」と書かれた防弾ベストとヘルメットを着用していましたが、顔を撃たれたものとみられています。

この映像は、アブ・アクレさんが銃撃された直後に撮影されたものです。男性が救助に駆け付けますが、銃撃が続いているのが分かります。

イスラエルの人権団体によりますと、この時、アブ・アクレさんの近くにはパレスチナ側の戦闘員はおらず、イスラエルの治安部隊が展開していたということです。

一緒に取材をしていて背中を撃たれた男性ジャーナリストは「パレスチナ側の戦闘員はおらず、銃撃戦が行われている場所にみずから入ることはない」と地元メディアに話しています。

一方、イスラエル側もジャーナリストを標的にすることはないと強調したうえ、アブ・アクレさんがパレスチナ側の戦闘員に銃撃された可能性を指摘しています。

イスラエル側、パレスチナ側双方による現場の捜査はまだ始まっていません。

ヨルダン川西岸地区では、4月からイスラエル治安部隊とパレスチナ側との衝突が相次いでいて、イギリスBBCによりますと、これまでに双方合わせて40人以上が死亡するなど、緊張状態が続いています。