イラク国営のタンカー会社は、原油200万バレルをホルムズ海峡の外まで輸送するため、超大型原油タンカー(VLCC)を手配した。ペルシャ湾外で原油を引き渡す取り組みへの一歩となる。

イラク石油タンカー会社はVLCCに原油を積み込み、「数十年ぶりに」ホルムズ海峡を通過するよう手配した。アリ・カイス・アブドルジャバル局長が、石油省のフェイスブックのページに掲載された動画で明らかにした。従来は買い手側が、ペルシャ湾奥部に近いバスラでイラク産原油を積載するため、超大型タンカーを手配していた。

今回の輸送は、イラクの原油販売方式の転換を示している。国営タンカー会社がホルムズ海峡の外まで原油を輸送する責任を担う。湾外で引き渡すことで、ホルムズ海峡への船舶派遣に消極的な製油会社にも販路を広げ、有利な価格を確保できる可能性がある。南部の輸出ターミナルに買い手を呼び込むために必要な値引きの縮小にもつながると考えられる。

中東各地の産油国は、イランでの戦争による混乱を受け、ホルムズ海峡を通じた原油や石油製品の輸送を回復する能力を支えるため、タンカーの確保を急いでいる。アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ国営石油会社(ADNOC)の海運部門も、タンカー船隊の輸送能力を増強している。

イラクのフダイル石油相は3日、国営タンカー会社によるタンカー購入に向けた資金調達も模索していると国営通信に述べた。タンカーを保有することで輸出を支え、収益を高められるとする一方、購入を目指す隻数は明らかにしなかった。

域内の他の産油国との競争を図る上で、タンカー購入を進めることで政府が原油輸送を一段と管理できるようになるとカイス氏は説明。今回ホルムズ海峡外への輸送に手配したVLCCの船名や所有者、原油の最終目的地と買い手については明らかにしなかった。

石油省によると、9月のイラクの原油輸出量は同月21日までの期間で日量平均約260万バレルだった。8月の日量約200万バレルから増加したものの、戦争前の日量330万-350万バレルは下回った。

イラク政府は、トルコを経由する北部ルートや、シリアのバニヤス港に至るパイプライン計画など、代替の輸出ルートも模索している。

原題:Iraq Shifts Oil Strategy by Arranging Tanker to Move Past Hormuz(抜粋)

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