米ティンダーの元幹部が、見知らぬ人同士の相性をコミュニティーの投票で判定する新たなマッチングアプリを立ち上げた。独身者の間で、画面をスワイプして相手を選ぶ作業に疲れが広がる中、従来とは異なる出会いの形を打ち出す。

Rivet(リベット)は9月24日に米国のユーザー向けにサービスを開始。アプリ内コミュニティーの「マッチング審査員」が、提示された2人の相性が良さそうかどうかを評価する仕組みだ。創業者で最高経営責任者(CEO)のタル・カプール氏はインタビューで、出会いの量より質を重視し、事前に絞り込んだ候補を一度に数人だけ紹介する仕組みだと説明。その中には、ユーザーが普段好むタイプから外れる人が含まれる場合もある。

カプール氏は、「普段ならスワイプで飛ばしてしまうような人がたくさん候補に上がってくる。特にバンブルやヒンジで200人くらいを次々にスワイプしていると、どんどん判断が速くなり、条件だけで相手を品定めし、決めつけるようになっていく」と語った。同氏はティンダーに8年間勤務し、アジアの複数市場でゼネラルマネジャーを務めた。

マッチングアプリ各社は、利用疲れを訴える独身者を呼び戻そうと、サービスを大幅に見直している。バンブルとマッチ・グループ傘下のティンダーはいずれも対面イベントを開催し、利用者をアプリの外に連れ出しつつ、サービスへの関心をつなぎ留めようとしている。バンブルはスワイプに代わる選択肢としてAIを活用したマッチング機能も追加したほか、女性だけでなく男性も最初にアプローチできるようにした。

ニューヨークを拠点とするRivetは、シード資金として1050万ドル(約16億円)を調達し、一部市場で試験運用を行ってきた。登録は無料だが、コミュニティーによるマッチングが成立する前に相手へメッセージを送る機能など、一部は有料だ。「iOS」および「Android」端末で利用できる。

同アプリは、多くの人の知恵を集約することで個々人のバイアスを相殺し、より良い結果につなげられるとの考えに基づいている。ユーザーは求める相手などの情報をプロフィルに入力し、アルゴリズムがカップルの候補を提示する。マッチング審査員が双方のプロフィルを確認して投票し、それを基に総合的な相性スコアを算出する。スコアが高ければマッチングが成立し、2人はチャットを始めるかどうかを選べる。

カプール氏は「私たちの多くは、合わない相手と付き合っている友人を見て、『なぜ?』と思うものだ」と語り、「たいていの人は、他人を見抜くのが案外うまい」と指摘。第三者の立場から他人の人生を見つめているときは、人は「より客観的で合理的」になりやすいと述べた。

出会いの仲介をアプリ内のコミュニティーに委ねるプラットフォームはRivetが初めてではない。リアリティー番組で知られるベセニー・フランケル氏は昨年、利用者同士で相手候補を厳選して紹介するCoreを立ち上げた。こうした新しい形のプラットフォームのいずれかが、多数の利用者を獲得できるかどうかは不透明だ。

Rivetは、2人の写真を組み合わせて表示するAI搭載のビジュアル機能でも差別化を図る。利用者が2人を並べて見ながら、雰囲気や身長の相性を判断するのに役立てる。

カプール氏は「人間が人間を紹介することは、最も古くからある手法だ」と語った。「以前より多くの人が、人の手で相手を選ぶマッチメーキングに目を向けているが、非常に高額だ。2万ドルの仲人サービスを利用できるなら、それは素晴らしい。でも無理なら、私が無料で複数の異なる相手を紹介するのはどうだろうか」と述べた。

Rivetは利用者の再訪を促すため、さまざまな方法で体験をゲーム化している。マッチング審査員はマッチングが成功すると「カルマ通貨」を獲得でき、プロフィル上の特典や相手への直接紹介、現金報酬、ギフトカードなどと交換できる。マッチ成立前に相手へ連絡するには、1通につき1000カルマポイントが必要。3000カルマのパックは9.99ドルだ。アプリにはこのほか、週間のトップマッチング審査員ランキング、ライブイベント、初デート費用の半額を負担するキャンペーンなどの機能もある。

原題:Dating App From Ex-Tinder Executive Lets Strangers Matchmake (1)(抜粋)

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