ネパールと中国の国境地帯を襲った土石流の発生からあすで1か月。災害後、初めて被災地の光景を目にした生存者は、「元通りには戻らない」と深い喪失感を抱えています。
今週、JNNは土石流によって壊滅的な被害を受けたネパール中部に入りました。
記者
「こちらの建物は原形をとどめないほど破壊されていて、潰れています」
ここベトラワティは土砂に飲み込まれた1か月前のまま。道路や橋が流されたことで、復旧は進んでいません。
この地で暮らしていたバッタさん。濁流で大けがをしたうえ、一緒にいた妻は行方が分からなくなりました。
土石流で被災 バッタさん
「(妻の)手をつかんで逃げていたが、とてつもない流れで引き離されてしまった。妻がいなくて寂しいです」
首都カトマンズの病院に入院していたため、災害後のベトラワティを初めて目にします。
土石流で被災 バッタさん
「なんと言えばいいのか、心が空っぽのようです」
近くにはバッタさんが当時、履いていた靴が残されていました。
土石流で被災 バッタさん
「これは右足の靴です。もう片方は流されてしまって、ここに這い上がってきたんです」
10年ほど前、この地に移り住んだバッタさんは、妻と2人で鉄筋の販売店を営んでいました。人々の活気にあふれた街は変わり果てた姿となり、今は重機が無機質に動いています。
土石流で被災 バッタさん
「(妻の生存の)可能性はもうない。今はみんなが泣き崩れて苦しんでいます。元通りになんて戻らない」
先月26日に起きた土石流の死者は、ネパールだけで1400人超え、5500人以上が行方不明。子どもを含む家族とみられる日本人5人も連絡が取れないままです。
9万人近い被災者の多くは、仮設のテントなどで厳しい避難生活を余儀なくされています。
生活再建が大きな課題ですが、復興に必要な費用は日本円で7300億円にのぼる見通しです。
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