米国債で最も償還期間の長い30年物の利回りが24日、2004年以来の高水準を付けた。インフレや財政を巡る懸念を背景に続いている世界的な債券売りが、新たな節目に達した。

30年債利回りは一時4ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇し5.44%。欧州国債の利回りも上昇し、長期連休明けの日本でも、同国10年債利回りが30年ぶりの高水準を更新した。

ブルームバーグ・グローバル国債トータルリターン指数を構成する債券の平均利回りはいまや4%に迫り、2007年以来の高水準。イランでの戦争が引き起こしているインフレ圧力、堅調な米国経済、各国政府やテクノロジー企業による大量の債券発行に市場が対応する中、低利回り時代の終えんをあらためて印象付けた。

マウント・ルーマス・マネジメントのデーブ・アスペル最高投資責任者(CIO)は「債券でこのような動きは珍しい」と指摘。「米国は利上げに踏み切ったが、インフレが目標値にないことは明らかだ。経済はまずまずで、政府支出も巨額だ」と語った。

借り入れコストの上昇は、11月の中間選挙を控えるトランプ大統領に圧力をかけている。高止まりする住宅ローン金利や生活費を巡る不満が強まっているためだ。トランプ氏は米国の金利を「1%、あるいはそれ未満」にするよう求め、今月利上げを決定した米連邦準備制度理事会(FRB)を「敵対的」だと批判した。

米国とイランの戦争が始まって以降、米2年債利回りは150ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)、30年債利回りは80bp超上昇している。

利回りの上昇が続いていることで、長期の借り入れコストを引き下げようとする米財務省の取り組みは損なわれている。債券売りが激しくなる中、ベッセント財務長官は8月半ば、圧力を和らげるため政府の国債買い戻しプログラムを拡充したが、市場への持続的な効果はほとんど見られない。

今週実施された米5年債入札は、2018年から開始されたデータのうち、ある指標に基づくと2番目に低調な結果だった。落札利回りは2006年以来の高水準となり、約40兆ドル(約6350兆円)に上る公的債務の利払い費用増加は米政府を一段と苦しい状況に追い込む。

こうした状況を踏まえると、「債券は実際には合理的な動きをしている」と、ペンダル・グループのファンドマネジャー、エイミー・シエ・パトリック氏は述べた。

米5年債利回りは23日、2007年以来初めて5%を上回った。10年債利回りは、25年4月にトランプ氏が世界各国に対する関税賦課を発表した「解放の日」以来の上昇幅を記録。堅調な経済指標と原油価格の急騰を受け、短期金融市場ではFRBの追加利上げを見込む動きが強まった。

エネルギー主導のインフレ、巨額の政府借り入れ、FRBの追加引き締めリスクが続く中、米国債利回りは一段と上昇する余地があるとJPモルガン・チェースとKKRのストラテジストはみている。

短期金融市場は今後1年間に0.25ポイントの利上げ3回を完全に織り込み、4回目がある確率も高いとしている。

落ちてくるナイフ

米国債の売りは他の国債にも波及。ドイツ10年債利回りは3.58%と2009年以来の高水準を付け、日本国債の10年物利回りは一時10bp上昇して3.075%に達した。

ブルームバーグの指数によると、世界の国債は今年に入り約2.4%下落した。昨年は6.8%上昇していた。同指数は23日、1日として5月以来の大幅安となり、指数を構成する債券の平均利回りは8bp上昇して3.99%となった。

ボラティリティーの上昇も投資家心理を冷やしている。利回り上昇で債券の投資妙味が増しているにもかかわらず、投資家は買いに慎重だ。米債券市場のボラティリティーを示すICE BofA MOVE指数は23日、3月以来の高水準に上昇した。

TDセキュリティーズのストラテジスト、ハンス・ミケルセン氏は「債券投資家の多くは利回り上昇を歓迎するが、その水準で安定してほしいと考えている」と指摘。「落ちてくるナイフをつかむことになる」リスクを投資家は警戒していると語った。

原題:US 30-Year Yield Hits Highest Since 2004 as Bond Selloff Deepens(抜粋)

Global Bond Selloff Sends US 30-Year Yield to Highest Since 2004(抜粋)

(背景説明や世界の市場の動きなどを第3段落以降に加えます)

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