(ブルームバーグ):トランプ米大統領は18日、対ロシア制裁法案に署名し、同法が成立した。これにより、ロシア産石油製品を購入する国に関税を課す権限が大統領に与えられた。
ロシアの侵攻と戦うウクライナ当局者は、米国による具体的な支援の証しとして新たな制裁権限の成立を強く望んでいた。5年目に入った戦争は、緊張激化の重大な局面にある。
ロシア産石油製品の購入上位5カ国には、中国やインドのほか、米国の同盟国であるトルコなどが含まれ、広範な新たな関税の対象となる可能性がある。同法案の反対派は、ロシア産エネルギー製品を購入する加盟国を抱える欧州連合(EU)全体への関税に道を開く恐れがあると主張している。
同法案は、トランプ氏が法律を利用し関税を拡大するとの懸念から、米商業会議所や大手小売企業など企業ロビー団体の強い反対に直面したが、成立にこぎ着けた。
ロシア大統領府は17日、米議会による法案可決を「非友好的」な動きと呼び、戦争終結に向けた交渉に影響する可能性があると警告した。インタファクス通信によると、ペスコフ報道官は「米国による追加制裁の導入は、ウクライナでの和平実現に向けた取り組みを間違いなく複雑にする」と述べた。
この法案を巡っては民主党内で亀裂が生じた。米経済への有権者の不満が大きな争点となっている11月の中間選挙を前に、ウクライナを強く支持する議員と、関税によるインフレ加速をより重視する議員が対立した。
ウクライナのゼレンスキー大統領は来週、ニューヨークで開かれる国連総会に合わせてトランプ氏との会談実現を目指している。米当局者とロシア政府の間で一連のやり取りが行われたことを受け、米国がプーチン大統領に戦争終結を迫るのか、ロシアのエネルギー施設へのウクライナによる攻撃を抑制する取り組みを続けるのか、不透明感が生じている。
トランプ政権が新たな権限を実際に使い、イランやロシアへの圧力を強めるかは見通せない。ホワイトハウスは、大統領の裁量で制裁を科さないことができる幅広い適用除外を法案に盛り込むよう調整した。
同法は、米国に輸入されるロシア製品に500%の関税を課すことを大統領に認める。また、エネルギー輸入上位5カ国や、ロシア産原油・天然ガスを輸入する国、制裁逃れを支援する国には100%の追加関税を課すことができる。この関税権限は5年後に失効する。
同法はさらに、1996年イラン制裁法の適用期限を2031年まで延長する。イランと取引する米国外の企業に二次的な経済制裁を科すもので、今年失効する予定だった。
原題:Trump Signs Russia Sanctions Bill Granting New Tariff Powers(抜粋)
--取材協力:Ryan Chua、Derek Wallbank.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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