(ブルームバーグ):ロシアはウクライナ攻撃に使用する軍用ドローン(無人機)の製造に動員する北朝鮮労働者を増やしている。米国と同盟国による「多国間制裁監視チーム(MSMT)」が16日、報告書で明らかにした。国際制裁を無視したロシアの行為は、北朝鮮にとって違法な兵器開発の資金を賄う重要な収入源となっている。
報告書によると、無人航空機を組み立てるタタルスタン共和国エラブガの施設を含め、ロシアのドローン産業では最大2万5000人の北朝鮮労働者が働いているとみられる。
北朝鮮労働者の国外労働は昨年、最大8億ドル(約1250億円)を生み出し、国連安全保障理事会決議に違反する違法な核・弾道ミサイル開発計画の資金となっているという。
ロシアと北朝鮮は、兵器や兵士にとどまらず、労働力や工業生産まで、軍事関係を深めている。ロシアはウクライナでの戦争を支える産業向けに新たな労働力を確保する一方、北朝鮮は核・弾道ミサイル開発計画の資金源となる外貨を得ている。かつてはロシアも履行に協力していた制裁の枠組みの形骸化が進んでいる。
報告書によれば、ロシアで働く北朝鮮労働者は、ビザ制度を利用して学生を装い、制裁を回避している。現地の北朝鮮労働者の年間賃金は平均7500ドルだが、その大半は北朝鮮の政権に没収される。一部では、没収額が実際の収入を上回るケースもあるという。
ロシアで働く北朝鮮労働者の月給は、中国で得られる額の最大5倍に上る可能性があり、ロシアは北朝鮮にとって魅力的な労働力の提供先となっている。2025年末時点では、中国で推計2万-7万人、ロシアでは1万5000-3万人の北朝鮮労働者が働いていたと報告書は指摘した。
報告書は「北朝鮮当局は脱北を防ぐため、労働者の移動や外部との接触を厳しく管理している。一方、労働者が脱北すると、北朝鮮に残る家族が報復を受けるリスクがある」とした。
多国間制裁監視チームは、米国や日本、韓国などの11カ国で構成。北朝鮮に対する制裁の履行状況を監視している。北朝鮮による制裁逃れや核戦力の開発について15年間にわたり報告してきた国連の専門家パネルが、24年のロシアによる拒否権行使により任務を終えたことを受けて発足した。
原題:Russia Taps North Korean Workers to Make Drones Under Fake Visas(抜粋)
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