日本国債市場で長期金利の指標である新発10年国債利回りが再び3%の大台に乗せた。中東情勢の緊迫化を受け国際原油市況が上昇傾向を強めており、前日の米国債市場で金利が大幅上昇した流れから東京市場でも投資家が売り姿勢を強めた。

ニューヨーク市場のトレーダー

11日の取引で新発10年国債利回りは一時前日比9ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い3%に上昇。3%を付けたのは2日以来だ。20年債は一時7.5bp高い3.825%、30年債は5bp高い4.055%までそれぞれ上げた。アジア太平洋地域でも金利が上昇しており、オーストラリアの3年債利回りは一時20bpも跳ね上がり、2011年以来の高水準となる5.05%に達した。

米国とイランの和平への道筋が見えない上、イエメンの親イラン武装組織フーシ派とサウジアラビアの支援勢力との戦闘が激化しているため、北海ブレント原油価格はアジア時間11日にバレル当たり108ドル付近に上昇。週間上昇率は7月以降で最大となる勢いだ。ニューヨーク市場のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)も100ドルを超えた推移が続く。

再上昇傾向を強める原油市況を受けたインフレ警戒感の高まりで、10日の米国債市場では10年債利回りが10bpを超える大幅上昇(価格は大幅下落)となり、市場関係者が節目と捉える5%に接近。米財務省が同日実施した長期国債の買い戻しで購入額が市場予想を下回ったことも債券売り圧力を一層高めた。

ニッセイアセットマネジメント戦略運用部の三浦英一郎専門部長は、原油高やインフレ懸念を背景に海外の利回りが上昇していることで日本の金利上昇圧力も高まっていると分析。ただ、日本銀行が来週の金融政策決定会合で年末までに2回の利上げを行う可能性を示唆すれば、むしろ年限の長い国債にとってはプラス材料になるとの見方も示した。

一方、BNPパリバ・アセットマネジメントの木村龍太郎シニア債券ストラテジストは国債買い戻し政策にもかかわらず、米長期金利の上昇が止まらないことで「ベッセント財務長官は市場から挑戦を受けている。威光に疑念が生じていることが日本国債にも冷や水を浴びせている」との見方だ。

米債市場は「パニック寸前まで来ているように見える」とも木村氏は話し、売りの最終局面である「セリング・クライマックスはまだ訪れておらず、合理的な予想から離れて金利が急騰する可能性も排除できない」と警戒感を示す。

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