(ブルームバーグ):欧州連合(EU)は、中東紛争を背景にエネルギー価格が危機的な状況に陥る可能性があるとして加盟国に警告した。需要を抑える措置を検討するとともに、冬場を前にガス貯蔵を続けるよう求めた。
欧州委員会のヨーエンセン委員(エネルギー・住宅担当)は、27加盟国のエネルギー相に宛てた書簡で、輸入化石燃料への依存により、EUはエネルギー市場の混乱の影響を受けやすいと指摘。暖房を使用する季節に向けて早急に備えるよう各国政府に呼び掛けた。
ブルームバーグ・ニュースが26日に確認した書簡で、ヨーエンセン氏は「われわれは供給危機と結び付いた価格危機に直面している」と記していた。
欧州委からのコメントは得られていない。
2月末に米国主導の対イラン戦争が始まって以降、欧州のガス価格は、2倍超に上昇。今月には2022年終盤以来の高値を付けた。価格上昇はEUの政治課題の最優先事項となっており、域内の企業は欧州の競争力を損なっていると訴えている。光熱費の急増に苦しむ有権者への支援を拡充するよう、各国政府への圧力も強まっている。
今年はガス貯蔵が特に難しくなっている。中東紛争により、冬場の価格に比べて直近の価格が上昇し、夏場のガス貯蔵の採算が悪化したためだ。EU域内の貯蔵施設の充塡(じゅうてん)率は70%強と、この時期の季節的な平年水準である86%を下回っている。
EUの規則では、暖房シーズンを前に貯蔵施設の充塡率を90%とする目標から10ポイント下回ることが認められている。市場環境が悪化した場合には、さらに5ポイントの柔軟措置がある。
ヨーエンセン氏は「ガス貯蔵規則で認められた柔軟措置を活用し、充塡目標を80%に引き下げることで、価格や充塡コストへの当面の圧力を和らげることができる」と指摘。「ただし、必要に応じて、ガス貯蔵の維持やガス・電力の需要抑制の措置の実行、継続の検討を要請する」と述べた。
原題:EU Floats Energy Demand Curbs in Price Crisis Letter to Members(抜粋)
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