(ブルームバーグ):世界的な国債利回りの上昇が、社債市場にとってますます大きな脅威となっている。ロンドン拠点のクレジット・ヘッジファンド、アンドロメダ・キャピタル・マネジメントがこう指摘した。
共同創業者のアルベルト・ガッロ最高投資責任者(CIO)によると、米政府は財政均衡や債務削減に手を付けずに、ドル相場を支え、米国債利回りの上昇を抑えようとしている。ただ、巨額の国債発行と膨らむ財政赤字を踏まえれば、こうした政策運営は持続できないという。
ガッロ氏はブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のポッドキャスト「クレジット・エッジ」で、「長期金利の上昇か通貨の下落か、どちらかを容認せざるを得ない。長期金利が上昇すれば、AI関連の借り入れが膨らんでいるだけに、信用収縮を招く恐れがある」と述べた。
クレジット市場で20年以上の経験を持つガッロ氏は、まずドルが下落すると予想する。ただ長い目でみると、高金利とインフレ、過去最高水準の政府支出が続けば、社債市場を圧迫する恐れがあるとみている。
ガッロ氏はタイタニック号の沈没になぞらえ、「国債利回りがこれほど上昇したということは、すでに氷山に衝突しているのかもしれない」と述べた。
指標となる米10年国債利回りは10日、4.9%を超え、3年ぶりの高水準を付けた。原油高とインフレに加え、財政赤字を賄うための政府借り入れの増加が利回りを押し上げた。一方、社債スプレッドは小幅に縮小し、30年ぶりの低水準に近い。AIインフラ整備に向けた数千億ドル規模の資金調達などで起債が急増しているにもかかわらずだ。
ガッロ氏によると、世界的な国債売りで利回りが上昇すれば、機関投資家が目標利回りを確保するために、リスクを取って社債に資金を振り向ける必要性は薄れる。社債の発行は増える一方、需要は弱まる可能性がある。
一方、アンドロメダは特にダイレクトレンディングとAI関連債務に弱気だ。ガッロ氏によると、保険会社はプライベートクレジットへのエクスポージャーが大きく、そこからリスクが波及する可能性がある。アンドロメダは保険セクターを空売りしている。
ガッロ氏は、「生命保険会社の損失の一部は、最終的に納税者が負担することになるかもしれない。保険契約者は州の保証制度で保護されているためだ」と述べた。
ガッロ氏によれば、AIインフラに資金を提供するクレジット投資家は、リスクに見合ったリターンを得ていない。ガッロ氏のファンドは、厳しい局面を乗り切れないとみるデータセンターに対して弱気のポジションを取っている。
「ハイパースケーラーが債務を返済できるだけの収入を得る前に流動性が逼迫(ひっぱく)すれば、クレジット市場で問題が起きる可能性がある」とガッロ氏は述べた。
ガッロ氏はインフラ、防衛、鉱業、エネルギー各セクターの債券のほか、転換社債を選好する。アンドロメダは新興国市場にも投資妙味があるとみている。近く停戦が実現するとは予想していないが、ウクライナの債券を有望視している。
ガッロ氏は、「私はウクライナに投資したい。5000億ドル(約77兆円)あれば国家を再建できる」と述べ、「火星に行くために3兆ドルを費やすより、その方がいい」と語った。
原題:Hedge Fund Andromeda Warns of Credit Crunch as Bond Yields Soar(抜粋)
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