(ブルームバーグ):シンガポール政府は、「化学的去勢」と呼ばれる抗アンドロゲン治療について、性犯罪の減少に有効との明確な証拠が得られれば導入を検討する考えだ。シャンムガム内相が8日、国会での質問に対する答弁で明らかにした。
シャンムガム氏は、児童や若者に対する重大な性犯罪の刑罰を見直す考えがあるか、また、こうした犯罪の抑止や再犯防止に向け、抗アンドロゲン治療や性犯罪者登録制度を検討したことがあるかとの野党議員の質問に対し、「薬物による抗アンドロゲン治療、いわゆる化学的去勢を含む措置について、犯罪率の低下に有効であることが明確になれば、引き続き検討する姿勢は変わっていない」と述べた。
その上で「これまでのところ、それを裏付ける証拠は決定的ではない」と話した。
抗アンドロゲン治療は、テストステロンを含む男性ホルモンの作用を抑える薬剤を使用し、性欲や性機能を低下させる治療を指す。英国や他の欧州諸国では一部の犯罪者にこうした治療が用いられている。韓国は2011年、性犯罪者へのホルモン治療を認める法律を可決した。
シンガポール警察によると、性的暴行を含む法律上の「わいせつ行為」の事件数は昨年、前年比7.3%増の1531件となった。
性犯罪者登録制度について、シャンムガム氏は、警察が重大な性犯罪で有罪判決を受けた者について非公開の記録を保有しており、児童や若者と継続的に接する職種の応募者を審査する機関と共有していると説明した。
同氏はさらに、政府がこうした審査の対象を児童や若者に関わるより幅広い職種に拡大する可能性があり、規制対象外の業種で任意の身元確認制度を導入することも選択肢になり得ると語った。
ゴー・ペイミン内務担当上級国務相は別途、現在の審査対象にはモスクの常勤職員、認定宗教教師、学校や就学前教育施設の職員、登録コーチなどが含まれると説明した。
シンガポールはすでに重大な性犯罪に厳しい刑罰を科していると、シャンムガム氏は述べた。7月に施行された新たな量刑制度は、再犯リスクが相当に高く、重大な暴力犯罪または性犯罪を犯した者を対象とする。対象者には5-20年の最低拘禁期間が設定され、公衆への脅威がなくなったと判断された場合にのみ釈放される。
シンガポールでは、強姦(ごうかん)罪で有罪となった場合、最長20年の拘禁刑に加え、罰金またはむち打ち刑が科される。
原題:Singapore Open to Anti-Androgens to Curb Sex Crimes If Effective(抜粋)
--取材協力:Srinidhi Ragavendran.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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