8月の米生産者物価指数(PPI)統計は、エネルギー価格の上昇に伴い、インフレ圧力が再び高まっていることを示した。来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ決定を後押しする材料となる可能性がある。

総合指数は前月比0.4%上昇と、5月以来の大幅な伸びとなった。

PPIに続き、11日には8月の米消費者物価指数(CPI)が公表される。CPI統計では、ガソリン価格の上昇で総合指数が押し上げられる一方、食品とエネルギー価格を除くコア指数は比較的穏やかな伸びにとどまると予想されている。

FRB当局者の一部は、9月15-16両日に開催されるFOMCの政策判断について、今週発表されるインフレ統計の内容が左右する可能性があると示唆している。

ウォーシュFRB議長は先月の講演で、基調的なインフレ率が明確に改善しているとの確信を政策当局者が持てないのであれば、FRBには「やるべき仕事がある」と述べた。

PPI統計では、エネルギー価格と輸送・倉庫関連コストが、2カ月連続で低下した後、8月に急上昇した。米国とイランの戦闘が続く中で原油価格は再び上昇しており、物価の先行きはさらに見通しにくくなりそうだ。

PPIの発表後、米利上げの織り込みが進み、米国株は下げて開始。米国債利回りは上昇している。

キャピタル・エコノミクスの北米担当チーフエコノミスト、スティーブン・ブラウン氏は、「PPIは総じてなお比較的強めで、FRBは今月利上げに踏み切らないとしても、年内には利上げをする可能性が高い」と指摘した。

PPI統計では、航空運賃や病院の入院、外来診療価格が8月に大幅上昇した。法務サービスも1.7%上昇し、データがさかのぼれる2009年以降で最大の伸びとなった。これらはFRBが特に注目する項目で、FRBが重視するインフレ指標である個人消費支出(PCE)価格指数の算出に反映される。

米商務省経済分析局(BEA)は30日に、8月のPCE価格指数を個人所得・支出データとともに発表する予定。BEAは同月分から、法務サービスやコンピューターソフトウエア、投資助言など一部項目の価格測定方法を変更する。エコノミストの間では、今回の変更によりPCE価格指数が従来より低く出るとの見方が多い。

ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のトロイ・デュリー氏は「FRBが重視するPCE価格指数の算出に反映されるPPIの項目は、病院サービス価格と航空運賃の上昇が押し上げ要因となって、市場予想を大幅に上回った」と指摘。「こうした上振れを受け、当社では8月のPCEインフレ予想を引き上げた。9月の米利上げの可能性も高まった」と述べた。

今年はデータセンターの建設拡大が物価上昇圧力の一因となっている。電子部品・付属品の価格は3.4%、コンピューター・関連機器は0.2%それぞれ上昇した。より広範な建設コストの指数はほぼ横ばいだった。

PPI統計では、卸売・小売業サービスのマージン動向も注目されている。企業が関税によるコスト増をどの程度吸収しているのか、あるいは顧客に転嫁しているのかを見極める手掛かりとなるためだ。8月のマージンは0.2%低下した。

多くの関税措置が今年、連邦最高裁によって無効とされたが、トランプ政権は別の権限を使って輸入品への関税を課している。米国とカナダの通商協議は8月に決裂し、トランプ政権は数十億ドル規模のカナダ製品に50%の関税を発動。カナダも対抗措置として、数百品目の米国製品に15-50%の関税を課した。

統計の詳細は表をご覧ください。

原題:US Producer Prices Rise Most in Three Months on Energy Surge (5)(抜粋)

(第1段落から新規の内容を加え、全体を更新します)

--取材協力:Jeffrey Sparshott.

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