(ブルームバーグ):サクソ・マーケッツによると、円の上昇を受けて、投資家が世界の株式市場で積み上がった一部の過密なレバレッジポジションを巻き戻す可能性がある。
シンガポールのチーフ投資ストラテジスト、チャル・チャナナ氏はリポートで、円キャリートレードの巻き戻しで最も影響を受けそうな分野として、人工知能(AI)半導体関連、割高なソフトウエア、不動産投資信託(REIT)など金利動向に敏感な株式を挙げた。
チャナナ氏は「最も脆弱(ぜいじゃく)なのは、高いバリュエーション、投資家の集中、レバレッジ、低い流動性が重なるところだ」と記す。
円相場は対ドルで155円を突破したことでストップロス(損失確定の売買)を巻き込んで上昇に弾みが付き、8日は一時152円89銭と今年の高値に近づいた。円高を受けてハイテク株の比重が大きい日経平均株価は1.7%下落。東証株価指数(TOPIX)は1.8%下げ、自動車を含む輸送用機器は業種別指数の下落率2位になった。
チャナナ氏はさらに、「投資家は長年、円で低コストの資金を借り入れ、その資金をより利回りの高い通貨やリスク資産に投じてきた」と指摘。「損失を抱えたり、証拠金要件が引き上げられたりしたファンドは、企業のファンダメンタルズに変化があるかどうかにかかわらず、流動性が高く利益の出ている保有資産から売却する可能性がある」と記した。
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