ニュージーランド(NZ)の住宅価格は8月、3年超ぶりの低水準に下落した。2022年初めに始まった低迷が長期化し、景気回復のけん引役として期待される国内需要の先行きに影を落としている。

不動産コンサルティング会社コタリティが4日発表した8月の住宅価格指数は、前月比0.4%下落した。7月は改定値で0.5%低下していた。住宅価格は現在、2022年1月のピークを18%下回っている。

燃料価格の急騰と失業率の上昇ですでに苦境にある家計にとって、住宅価格の下落が新たな圧迫要因となり、個人消費は引き続き低調に推移する可能性を示している。

NZ準備銀行(中央銀行)は先週、2会合連続で利上げを実施。同中銀は現在の景気回復について、輸出と観光が伸びる一方、消費と投資は出遅れており、ばらつきがあるとみている。

コタリティのチーフ不動産エコノミスト、ケルビン・デービッドソン氏は、「住宅市場は依然として足踏み状態にあり、来年まで続きそうだ」とし、「急激な落ち込みの兆候はないが、一方で短期的に成長を加速させる材料もない」と指摘した。

中銀は2日、インフレ圧力の高まりを未然に抑えるため、政策金利であるオフィシャル・キャッシュレート(OCR)を2.75%に引き上げた。政策当局者は追加利上げの可能性が高いと示唆する一方、これまでの金融引き締めに経済がどう反応しているかを見極めるため、時間をかける姿勢も示した。

デービッドソン氏は、「経済の不透明感や住宅ローン金利の上昇、売り出し物件の多さを背景に、買い手には購入を急ぐ理由がほとんどない」と述べた。11月の総選挙を控え、将来の税制が不透明なことも投資家の様子見姿勢につながっているという。

中道右派の連立政権は11月7日の投票を前に苦戦している。景気回復がなお勢いを欠く中、自らを優れた経済運営の担い手とする与党・国民党の主張に有権者が不満を強め、同党は世論調査で後れを取っている。

コタリティは先月、今回の住宅市場の低迷は世界金融危機後よりもはるかに長期化する見通しだと指摘した。NZの住宅価格は当時、10%下落したものの、5年足らずで危機前の水準を回復していた。

中銀は金融政策報告で、不動産市場の低迷や所得の伸び悩み、雇用不安が家計支出と国内需要の重しになっていると指摘した。

中銀の予測では、住宅価格は26年に0.5%下落した後、緩やかな回復に転じ、27年に2.4%、28年に5.2%上昇する見通しだ。

デービッドソン氏は、「労働市場と雇用の安定性がより明確に改善するのは、2027年に入りしばらくたってからになるかもしれない。それまでは、住宅価格が持続的に上昇する可能性は低い」と述べた。

原題:New Zealand Home Prices Hit Three-Year Low, Threatening Recovery(抜粋)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.