イングランド銀行(英中央銀行)のチーフエコノミストで金融政策委員会(MPC)委員を務めるヒュー・ピル氏は、中央銀行の独立性にとって最大の脅威は、巨額の財政赤字を賄うよう政府が圧力をかけることだとの認識を示した。

英金融情報会社マネーファクツの専門誌インタレストとのインタビューで語った。こうしたリスクに中銀がどう対処するかが「目下の最重要課題」だと述べた。

低成長と相次ぐ供給ショックを背景に、各国で財政赤字が膨らみ、公的債務も増えていると指摘した。中銀を通じて財政赤字を賄えば、その独立性が疑問視されかねないと警告した。

中銀の独立性をめぐる懸念は近年、トランプ米大統領が米連邦準備制度理事会(FRB)を繰り返し批判したことで強まっている。英国でも、右派政党リフォームUKのファラージ党首が近年のインフレ対応をめぐり英中銀を批判。リフォームUKは英中銀に対する関与を強める案を示している。

各国政府は金融危機後やコロナ禍のなかで導入された低金利と大規模な国債買い入れの恩恵を受けた。こうした政策をめぐっては、中銀による事実上の財政ファイナンスだとの批判も出た。近年のインフレ高進を受け、英中銀は利上げに踏み切った。その一方で、量的緩和(QE)で買い入れた国債の保有額も段階的に圧縮している。

ピル氏は「どの国であれ、政府が財政赤字を穴埋めするため中銀に資金供給を求めれば、中銀の独立性に疑念が持たれかねない。中銀が物価安定を目指すうえで、その政策への信頼を保つには独立性が欠かせない」と述べた。そのうえで「不確実で困難な経済環境のなか、中銀がこうした独立性への脅威にどう立ち向かうかが、目下の最重要課題だ」と語った。

原題:BOE’s Pill Fears Central Banks Being Pushed to Finance Deficits(抜粋)

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