(ブルームバーグ):ハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)が広大なデータセンターの建設に数十億ドルを投じるのに伴い、増え続けるデータセンターの従業員に食事やジム、娯楽を提供するケータリング会社には30億ドル(約4700億円)規模の商機が生まれている。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)が分析した。
米アラマークや英コンパス・グループ、仏ソデクソといった世界的なケータリング会社は、建設中のプロジェクトと全面稼働しているキャンパスの両方で、洗濯から24時間体制の軽食提供まで、幅広いサービスを請け負っている。
ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のスチュアート・ゴードン、エフゲニー・バチバロフ両アナリストは、アウトソーシングの商機による年間売上高が2032年に32億ドルに達すると予測している。
アラマークはデータセンター契約によって2027・28年度に4億~5億ドルの追加売上高を見込むと、8月のアナリスト会議で明らかにした。同社は4000人以上が働くテキサス州のデータセンターで、食事サービスとフィットネスセンター、「リゾート型エンターテインメント」を提供する予定だという。シティのアナリストは本格稼働時に年間約1億ドルの売上高が上積みされると推計している。
アラマークのジョン・ジルマー最高経営責任者(CEO)によると、同社の目的は「温かい食事と寝る場所」だけを用意するものから、従業員が日々生活できる環境そのものをつくる方向へ変化している。同社は今年、データセンター需要を理由に業績見通しを2度引き上げた。熟練労働者の獲得競争を支援するため、各種施設・サービスを一体的に提供する「Nexus」も展開している。

BIはアラマークが市場の約35%、コンパスが約30%、ソデクソが約20%を獲得すると予想する。
シティのアナリスト、レオ・キャリントン氏は「アラマークのケースを見ると、この商機は現実のものに見える。契約は締結済みであり、採算性を見ても、相応の規模になることを意味している」とインタビューで述べた。「米国での商機にせよ、世界全体での商機にせよ、どう切り取ってみても、かなり大きな数字に達するのは想像に難くない」と話した。
ソデクソも7月、メタ・プラットフォームズと世界各地のオフィス、データセンター、会議施設で食事サービスを提供する契約を締結した。ソデクソのティエリ・デラポルテCEOは、この分野には「著しい」成長機会があるとみており、建設中と稼働中のデータセンターから需要が生じていると述べた。コンパスも恩恵はデータセンターそのものだけでなく、そのサプライチェーンに属するメーカーや建設会社にも広がるとみている。
急成長は一時的
ただしBIのスチュアート・ゴードン、エフゲニー・バチバロフ両アナリストによれば、この成長は永続的ではない可能性が高い。年間売上高は2032年に32億ドルでピークを迎え、その後はデータセンター建設の勢いが鈍化するにつれて、長期的には半減する見通しだ。このため、素早い地域展開と新規案件の獲得が重要になる。
つまり建設段階が全てだと、シティのキャリントン氏は指摘する。食事サービス・施設管理会社の売上高は、サービスを提供する人数にほぼ比例するためだ。一方で競争も激しく、ソデクソが2030年の目標をすべて達成できるかについて、同氏は慎重な見方を示している。
もう1つの課題となり得るのが、電気料金、環境問題、AIを巡る幅広い懸念を背景に、データセンターへの反発が強まっていることだ。ニューヨーク・タイムズ紙とシエナ大学が9月に実施した世論調査では、米国の有権者の61%がデータセンター建設に反対していることが分かった。これはペンシルベニア大学のアネンバーグ・パブリック・ポリシー・センター(APPC)が2月と3月に実施した世論調査から、12ポイント上昇している。
政治的な反発に加え、最近ではAI研究所の幹部から安全性への懸念を理由にフロンティアモデルの開発ペース減速を求める声が相次いでいる。このため大半の投資家はケータリング会社の商機については、契約ごとに評価するようになっていると、シティのキャリントン氏は述べた。
「プロジェクトにゴーサインが出た段階で、契約を締結する必要がある」とキャリントン氏はケータリング会社について述べた。「それが最も重要だ」と続けた。
原題:Data Centers Create $3 Billion Opportunity for Catering Giants(抜粋)
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