(ブルームバーグ):米大リーグ・ドジャースの筆頭オーナー、マーク・ウォルター会長傘下の二つの保険会社は、同氏のビジネス帝国の他部門への貸し付け200億ドル(約3兆1800億円)余りを巡り検察の捜査対象になっているが、連邦住宅貸付銀行(FHLB)の低利資金に深く依存していた実態が明らかになった。
業界記録によると、ウォルター氏の中間金融・保険持ち株会社「グループ1001」に属する保険会社2社は6月末時点で、インディアナポリス連邦住宅貸付銀行からの借入金残高が60億ドルを上回った。半年前から36%増え、2025年初めの未払い残高の約2倍に相当する。
FHLBは金融機関が住宅購入者に貸し付ける資金の確保を目的に大恐慌時代に設立された。過去には経営不安の地銀などがFHLBに資金繰りを頼った経緯があり、新規の住宅ローン提供とほとんど関係のない目的で資金を利用したがる借り手が後を絶たない。
投資会社が保険会社を傘下に収め、利益拡大を図る中で、保険会社もFHLBの低利資金の利用に傾く現状は今や周知の事実だ。それでもグループ1001は他の多くの保険会社を上回るペースで借り入れを増やし、利用可能な資金を最大限活用している。
ボストン連邦住宅貸付銀行で独立社外取締役を務めたコーネリアス・ハーレー氏は「保険会社に貸し付ける資金に納税者が補助金を出す状況を示す純然たる事例だ。バランスシート上の資産を担保に(低利資金という)流動性がいつでも得られる環境は、甚だしい制度の乱用と言える」と指摘した。
米資産運用会社グッゲンハイムパートナーズの最高経営責任者(CEO)を務めるウォルター氏は、アポロ・グローバル・マネジメントなどウォール街の有力投資会社と共に保険業界の再編を主導してきた。ディールメーカーの影響力が強まる過程で、保険契約者から預かった保険料がより複雑で異例な投資に向けられるようになった。
プライベートクレジットやスポーツフランチャイズへの進出もそうした動きに含まれる。米プロバスケットボールNBAのスーパースター、レブロン・ジェームズ氏への融資のためにグッゲンハイムが数億ドルの保険資金を確保したことさえある。
保険会社デラウェア・ライフ・インシュアランスとクリア・スプリング・ライフ・アンド・アニュイティーを含むウォルター氏のビジネス帝国は、米司法省の指揮下で連邦検察の捜査対象となり、米証券取引委員会(SEC)も調査に動いている。
保険会社の200億ドル余りの貸し付けは、今年になるまで「関連会社への支援」としてバランスシートに記載されておらず、それが捜査の核心部分だ。
資金が最終的にどのように使われたかは不明であり、ウォルター氏と持ち株会社TWGグローバル、保険会社は現時点で不正の責任を問われているわけではない。グループ1001の担当者はコメントを控えた。
原題:Mark Walter’s Insurers Ramped Up Borrowing From Home Loan Bank(抜粋)
--取材協力:Noah Buhayar.
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