鈴木財務大臣は財政演説を行い、過去最大となるおよそ114兆円余りとなった令和5年度の予算案について、「歴史の転換期に重要課題の解決に道筋をつける未来を切り拓くための予算」だとして、速やかな成立への協力を求めました。

政府は、きょうの閣議で、一般会計の総額が114兆3812億円となる、過去最大の来年度予算案を通常国会に提出しました。

鈴木財務大臣は財政演説で、「令和5年度予算は歴史の転換期にあって重要課題の解決に道筋をつける未来を切り拓くための予算」だと強調しました。

また、「財政は国の信頼の礎で財政余力を確保しておくことが不可欠」として、2025年度にプライマリーバランスの黒字化を達成する目標にむけて、歳出・歳入両面の改革を着実に進めると述べました。

来年度予算案のうち、「防衛費」は防衛力の抜本的な強化のため、6兆7880億円と今年度より1兆4192億円増えているほか、将来の防衛力強化に充てる「防衛力強化資金(仮称)」として3兆3806億円を計上しました。

社会保障費も高齢化などで、36兆8889億円と今年度より6154億円増えています。

新型コロナや物価高騰対策の予備費として4兆円、ウクライナ情勢に対応するための予備費、1兆円と合わせて5兆円が計上されていて、こうした巨額な予備費についても国会で議論となりそうです。

なお、借金にあたる新規の国債発行額は今年度の当初予算より1兆3030億円減りますが、歳入の3割以上を国債に頼る構図は変わっておらず、厳しい財政状況が続いています。