2027年度当初予算の概算要求が8月末に締め切りを迎える。債券市場で財政に対する注目度が例年以上に高まる中で、金利上昇のショックを回避できるか重要な「第一関門」を迎える。

高市早苗首相は来年度予算で、危機管理・成長投資のための「新たな投資枠」を創設し、必要な経費を措置する方針だ。投資枠では要求の上限を設けず、金額を示さない事項要求も可能とする。毎年恒例となっていた大型補正予算からの脱却も併せて掲げ、予算編成の抜本改革を進める。

こうした背景から、当初予算の規模はこれまでと比べて膨らむ公算が大きい。今年度の一般会計は要求額122兆4454億円に対し、過去最大となる122兆3092億円が予算措置された。来年度の要求額はこれより大きくなることが想定され、規模次第では債券市場が動揺する可能性も否定できない。

高市首相は「責任ある積極財政」を掲げ、緊縮的な政策運営には否定的な見方を示す。ただ、市場では財政悪化懸念が根強く急ピッチな金利上昇が進んできた。長期金利は、高市政権が発足した25年10月から約1.3%上昇し、足元では2.8%台で推移する。

長期金利の上昇で、利払いと債務償還に充てる国債費も増加する見通しだ。読売新聞によると、財務省は利払い費を算出する際の積算金利を3.8%程度とする方向で調整。概算要求段階としては1998年度以来、29年ぶりの高水準となる。

積算金利は年度途中での金利急騰に備え、実勢レートよりも高めに設定する。26年度予算では積算金利を3.0%にし、国債費として31兆2758億円を計上。全体の4分の1を占めている。

金利動向を巡る「関所」は、概算要求後も予想される。一例は、安全保障関連3文書の改定だ。防衛費の規模感が明らかになる段階で、債券市場が金利上昇で反応する恐れもある。来年度予算の決定まで、難しいかじ取りが求められる。

(読売新聞の報道を追加して更新します)

--取材協力:横山恵利香.

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