韓国のサムスン電子は21日、2026年に最大110兆ウォン(約12兆6000億円)を株主に還元する見通しだと発表した。AIブームがもたらした巨額の利益の一部を投資家に振り向けるもので、同業のSKハイニックスに続く。韓国史上最大の株主還元策が動き出すことになる。

規制当局への届け出で、サムスンはフリーキャッシュフローの約半分を株主に還元し、7-9月期(第3四半期)に30兆ウォンの配当を実施すると明らかにした。従業員への報酬として、約15兆ウォンの自社株買いも行う方針だ。目標とする還元額の残りをどのような形で支払うかについては、明らかにしなかった。

サムスンの計画は、過去最大級の株主還元策となる。アップルは2024年、米国史上最大の自社株買いとされた1100億ドルの自社株買いを発表した。サムスンの21日の発表では、株主還元のうち自社株買いや株式消却に充てる割合は示されなかった。

サムスンは、残りの株主還元について1月の取締役会で最終決定するとしている。サムスン株は21日、3.9%高で取引を終えていたが、発表内容が期待外れだと受け止めた一部投資家の反応を受け、時間外取引で一時2.6%下落した。

マスト・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、キム・ミンジ氏は、「一部の投資家は、株主還元が最大150兆ウォンに達すると期待していた。それが時間外取引での株価の動きを説明している」と述べた。

高まる圧力

SKハイニックスは40兆ウォン規模の自社株買いを計画しており、サムスンにも株主還元を拡大する圧力が強まっている。米エヌビディアに半導体メモリーを供給し、AIインフラ構築で重要な役割を担うサムスンとSKハイニックスの動きは、AIブームで生み出された資金をより多く還元するよう求める投資家の声に応えるものだ。

カウンターポイントのリサーチディレクター、トム・カン氏は、「韓国株式市場全体で、より広範な構造変化を促すきっかけになり得る」として、「米国市場で一般的にみられる経営スタイルに近い、株主をより重視する経営への着実な一歩だとみている」と評価した。

フィボナッチ・アセット・マネジメント・グローバルのユン・ジョンイン最高経営責任者(CEO)は「投資家にとって今後の焦点は、株主還元の総額そのものではなく、残りの資金がどのような形で還元されるかになる。特に、自社株買いや株式消却と、特別配当に回される割合に注目するだろう」と指摘した。

原題:Samsung Plans $80 Billion in Dividends, Buybacks After AI Gains(抜粋)

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--取材協力:Nick Turner、Denny Thomas.

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