(ブルームバーグ):財務省が18日に実施した5年利付国債入札は、投資家需要の強弱を反映する応札倍率が過去12カ月平均(3.34倍)を上回り、昨年6月以来の高水準となった。利回りの高さから需要が集まり、市場参加者の間からは「強めの結果だった」との声が出ている。
応札倍率は4.15倍で、前回(3.43倍)も上回った。最低落札価格は100円14銭(市場予想は100円10銭)、大きいほど入札の不調を示すテール(落札価格の最低と平均の差)は2銭と前回(3銭)を下回った。長期国債先物9月物は午前中に一時前日比25銭安の125円91銭まで下落したが、結果発表後に1銭安の126円15銭まで下げ幅を縮小。新発5年債利回りは低下に転じた。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券の鬼沢拓也債券ストラテジストは「市場のターミナルレート(利上げ到達点)の目線が切り上がる中、警戒感が強かったが、利回りの高さから需要があり強めの結果だった」と語る。ターミナルレートの代理変数とされるオーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)の2年先1年金利は2.3%まで水準を切り上げている。
鬼沢氏は「米超長期金利が上昇を続けていることや中東情勢の先行き不透明感から、地合いがすぐに好転するとは思えない」とも指摘。20日の20年債入札は「ターミナルレート上昇観測から手を出しにくく、警戒感は残っている」としている。
BNPパリバ・アセットマネジメントの木村龍太郎シニア債券ストラテジストも「5年債入札の好結果が20年債入札を強くサポートする可能性は低い」と言う。利上げ期待が高まっているにもかかわらず、「高市早苗首相は円安や金利上昇、金融政策について沈黙しており、インフレ抑制に対する政府の決意に不透明感をもたらしている」と指摘。投資家は超長期債への投資に躊躇(ちゅうちょ)していると話した。
利上げ織り込み
中東情勢の先行き不安を背景とした原油高に加え、市場では日本銀行の利上げペース加速に対する警戒感が強まっていた。相次ぐ観測報道によりスワップ市場が織り込む9月の利上げ確率は8割弱で、来年1月までに2回弱の利上げがほぼ織り込まれている。
18日午前には長期金利(新発10年債利回り)が一時2.945%と1996年以来の高水準を更新し、大台の3%に接近。新発5年債利回りは一時2.18%と2000年の発行開始以降の最高を塗り替えた。
長期金利の上昇はグローバルな現象だ。米30年債利回りは17日に5.3%に上昇し、07年以来の高水準を記録。急増する政府債務や長期債の大量発行、過去5年間にわたり米連邦準備制度理事会(FRB)の目標を上回っているインフレに対する懸念が背景にあり、カナダや欧州でも金利が上昇した。
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--取材協力:グラス美亜、深瀬敦子、日向貴彦.
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