17日の日本市場では債券が下落(利回りは上昇)。長期金利(新発10年債利回り)は1996年以来の高水準を更新した。財政拡張や日本銀行の利上げペース加速に対する警戒感が強まった。円は対ドルで159円台前半で推移。株式は東証株価指数(TOPIX)が反落した。

連日の日銀観測報道によりスワップ市場が織り込む9月の利上げ確率は約8割に上昇。来年1月までに2回の利上げが完全に織り込まれている。

BNPパリバ・アセットマネジメントの木村龍太郎シニア債券ストラテジストは「休みを取っていた市場参加者が戻り、改めて日銀の利上げペースの加速を織り込みにいっている」と語った。米国が為替の協調介入までして日本に協力したにもかかわらず、「高市早苗首相から円安阻止や日銀の利上げに対して全く情報発信がないことへの不安も強い」と言う。

長期金利は3%の大台に近づいているが、「レベル感で投資する局面ではない」と木村氏は話す。「高市政権が積極財政の旗を降ろさない限り、金利が低下に転じてもペースは緩やかなので、買い遅れる心配もない」と指摘。「追加的な悪材料が出て金利が上昇するリスクの方が大きく、3%になっても買い急ぐ必要はない」と述べた。

日本の4-6月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比年率1.1%増と、市場予想(2%増)を下回った。ただ、潜在成長率を上回る伸びを維持しており、利上げ路線に影響はないとみられている。

債券

債券は幅広い年限で下落し、利回りが上昇した。新発2年債利回りは4bp高い1.69%をつけた。新発5年債利回りは一時3.5bp高い2.17%と過去最高水準になった。

新発20年債利回りは6.5bp高い3.815%、新発30年債利回りは6.5bp高い4.075%まで上昇した。

ニッセイアセットマネジメント戦略運用部の三浦英一郎専門部長は「AI主導の経済成長や社債の発行に加え、米国とイランの戦争による軍事費の増大で、グローバルに中立金利の切り上げを含むリプライシングが起きている」と語る。日本も財政拡張に歯止めがかかっておらず、高市政権から「市場を落ち着かせるメッセージが発せられないと、長期金利の3%は単なる通過点になりそうだ」とみる。

新発国債利回り(午後3時時点)

為替

円は対ドルで159円前半で推移。円買い介入への警戒感からやや円が買われた。

ソニーフィナンシャルグループの石川久美子シニアアナリストは「このところ米経済指標が弱いためドルを積極的に買う動きもなく、159円台半ばがドルのいったんの上値めどになっている」と述べた。

今後の注目材料は、中東情勢に加え、海外はジャクソンホール会合(中央銀行の年次経済シンポジウム)でのウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長の講演、国内では内閣改造や自民党の党役員人事だと石川氏は指摘。「片山さつき財務相が交代すれば、財政拡張への不安で円安が加速する可能性もある」と言う。

株式

TOPIXが9営業日ぶりに下落。GDPの速報値が予想を下振れて伸びが鈍化し、買い一巡後に下げに転じた。

T&Dアセットマネジメントの浪岡宏チーフ・ストラテジストは、GDPは民間消費支出や設備投資などが期待を裏切る内容となり、株式の重しになったと話した。

個人消費伸び悩みを受けて小売株などが売られ、商社や銀行も安い。一方、キオクシアホールディングスやフジクラ、アドバンテストなどAI関連株の一角は高く、日経平均は上昇した。TOPIX構成銘柄は値下がり銘柄数が値上がりを上回った。

三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは、米国の小売売上高やミシガン大学消費者マインド指数が弱かったことが材料視された可能性があるとの見方を示した。

この記事は一部にブルームバーグ・オートメーションを利用しています。

--取材協力:アリス・フレンチ、我妻綾.

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