高市早苗政権は5日の臨時閣議で、食料品にかかる消費税率の引き下げを決定した。来年4月から2年間、8%から1%に減税する。市場の信認と直結する財源確保策が課題となる。

高市首相は臨時閣議後、減税の詳細設計を進め9月には税制改正大綱を決定し、「臨時国会に法律案を提出し、早期成立を目指したい」と述べた。官邸で記者団の質問に答えた。

減税の財源確保については「税収動向を見極めつつ、歳出歳入両面の見直しを進めることとあわせて債務残高対GDP比を安定的に引き下げていく中でも可能となる財政規模を精査する」とした。租税特別措置や補助金の見直し、外国為替特別会計などからの税外収入、基金からの歳入確保を進め、「必要な財政需要量を十分に対応できる」と語った。

高市首相は7月30日、消費税率の引き下げと給付を組み合わせて、実質負担ゼロとする方針を示した。2年間の減税後は税率を「私が責任をもって確実に戻す」と述べ、経済状況次第で減税を継続する「景気条項」は盛り込まないとした。

消費税は1989年の導入以降引き下げられたことがなく、どこまで消費者の負担感が軽減するかや、外食産業への影響など、不透明な点も多い。年間約5兆円の財源確保は市場の信認を得るためにも不可欠だが、政府は赤字国債に頼らないとする以外、財源の全体像に道筋を付けられていない。

高市首相は30日の会見で、外国為替資金特別会計(外為特会)の活用に触れたが、剰余金がどの程度見込めるかは読み切れない。

片山さつき財務相は5日の閣議後会見で、外為特会の剰余金が変動しやすいことは事実としつつ、「これまでも防衛財源などに活用している」と述べ、一定程度は見込めるとの認識を示した。その上で、歳入確保に向けてゼロベースで検討すると語った。

高市早苗首相

消費減税を含めた高市首相の経済政策は、市場で財政悪化要因として意識されやすい。4日の債券市場では、低調な国債入札結果を受けて10年債利回りが一時2.87%まで上昇した。金利動向に加え、日米両政府が協調介入して円安是正に踏み切った為替にも目配りした政策運営が求められる。

来年度予算の編成過程で消費減税の財源を確保する考えで、片山財務相は「市場との対話を今まで以上に考えたい。工夫していきたい」と話した。

消費減税は高市首相が「悲願」としてきた政策だ。中低所得層を支援する「給付付き税額控除」を2029年度に導入するまでのつなぎ措置として、これまで超党派の国民会議で議論を続けてきた。

ただ、国民会議では減税について各党が一致することはなく、政府・与党案として取りまとめることとなった。9月に与党の税制改正大綱を決め、秋の臨時国会に関連法案を提出する見通しだ。

(第2、3段落に高市首相の発言を追加して更新します。)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.