トヨタ自動車は4日、今期(2027年3月期)営業利益計画を前期比9.7%減の3兆4000億円に従来の3兆円から上方修正した。円安や販売構成の改善などが寄与したが、市場予想(3兆9364億円)は下回った。

トヨタ車のロゴ

期初計画に比べて米ドルを中心とした為替変動が4800億円の増益要因となり、資材価格の高騰や諸経費の増加などのマイナスを打ち消した。また、イラン情勢を巡る混乱の中で中東向けの代替物流ルート構築などの対応を取り、影響額を1600億円圧縮。一方、7月の熊本地震の影響に関しては精査中で今期の見通しには反映していないという。

トヨタはこれまで1ドル=150円としていた為替前提を160円と10円円安方向に見直した。対ドルで1円の円安が営業利益を500億円押し上げるが、日米が協調して円買い介入を実施したことで、足元の為替市場ではトヨタが新たに設定した想定レートより円高方向となっている。

国内自動車メーカーは日米による協調介入が入るほど歴史的な円安による追い風を受けながら、中東情勢や原材料高の影響など厳しい事業環境に直面している。自動車株はさえない値動きが続いており、今期は3期連続の営業減益を見込むトヨタの株価も年初来で10%以上下落している。 4月に就任した近健太社長が取り組む「稼ぐ力」の強化で逆境を乗り越えられるかが注目される。

サプライズなし

4-6月期のグループ世界販売台数は前年同期比4.1%減の271万4000台だった。6月まで5カ月連続で前年割れを続けているが、通期の台数見通しは従来の1118万台を据え置いた。

トヨタはまた、5億株(自己株式を除く発行済株式総数に対する割合は4.22%)、1兆円を上限とする自社株買いも発表した。市場買い付けで、期間は5日から27年8月4日を予定する。また2億株分を消却するとも発表した。

トヨタ株は決算発表後、乱高下して方向感が定まらない展開となった。その後、下落幅を拡大して一時前日比3.1%安の2871円まで売られた。

ブルームバーグ・インテリジェンスの吉田達生アナリストは、トヨタの決算について「想定内でサプライズなし」とコメント。トヨタの傾向を考えると、中東の影響額などは減額された後も依然として高額で保守的な想定とみていると述べた。

自己株取得については、株価水準を見ながら機動的に実施するとしていた原則通りとなり「まさに有言実行」だと評価。市場に対して、現在の株価は割安とトヨタはみているというシグナルになるだろうと述べた。

(識者コメントなどを追加して更新します)

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