財務省が4日に実施した10年利付国債入札は、大きいと入札の不調を示すテール(落札価格の最低と平均の差)が約2年ぶりの大きさになった。財政、金融政策の先行き不透明感から投資家は積極的な投資を手控えた。市場参加者からは「かなり悪い結果だった」との声が出ている。

テールは46銭と前回(20銭)を大幅に上回った。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は2.56倍と、過去12カ月平均(3.3倍)や前回(3.13倍)を下回り、最低落札価格は98円46銭と市場予想(99円22銭)を下回った。

午前に上昇していた長期国債先物9月物は結果発表後に売りに押され、一時前日比34銭安の126円37銭まで下落した。新発10年債利回りは一時5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い2.87%に上昇した。

SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジストは、10年債入札は「かなり弱い結果だった」と語る。日本銀行の早期利上げ観測が高まり、インフレに対して後手に回るビハインド・ザ・カーブ懸念は後退しつつあるが、「財政政策を巡る先行き不透明感が重しになった」と指摘。6日の30年債入札も「悪い結果になれば10年金利は3%が視野に入ってくる」と言う。

日米財務相は3日、7月31日の外国為替市場で日米が協調介入を実施したことを明らかにした上で、さらなる介入も辞さない姿勢を示した。表明後に円相場は対ドルで155円台まで急騰した。足元では再び円安圧力が強まっており、4日は一時157円75銭まで下落した。

米国が日本の円買い介入に協調したことを受けて、日銀が早期の利上げに向かうとの見方が広がっている。3日の債券市場では利上げの影響を受けやすい中期金利が上昇した半面、ビハインド・ザ・カーブ懸念が和らぎ、超長期金利はおおむね低下した。スワップ市場が織り込む9月の利上げ確率は46%、10月まででは9割程度に上昇している。

りそなアセットマネジメント債券運用部の藤原貴志リードファンドマネジャーは「ベッセント米財務長官が日本の円買い介入に協力したのは、日本の財政インフレを抑えるのが目的だったはずだ。しかし、高市政権は消費減税の実現にまい進しており、財政政策を修正する気配がない」と指摘。10年債は財政拡張への懸念が強く「なかなか買えない」と述べた。

(3段落以降に市況とコメントを追加して更新します)

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