ソフトバンクグループは29日、機関投資家向け社債の発行条件を決めた。OpenAIを中心とする人工知能(AI)分野への巨額投資に伴い国内外で資金調達手段を広げており、国内市場でも旺盛な需要を集めた。

発行条件は、3年債で国債利回りに対する上乗せ金利(スプレッド)が165ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)、5年債で190bp。3年債の利回りは3.27%、5年債3.886%と共に今年発行された国内企業の同年限債で最高となった。国内金利の上昇基調を反映した高い絶対利回りが投資家需要を支えた格好だ。

ソフトバンクG孫社長

発行額は3年債が当初予定の500億円程度から800億円に増額され、5年債では100億円を調達。投資家は金利変動リスクを抑えやすい短めの年限を選好した。

主幹事によると、3年債は需要に応じて増額した。生命保険会社や投信投資顧問、信託銀行などの年金勢に加え、地方銀行など幅広い投資家が参加したという。5年債の最終需要は発行額の約1.2倍だった。

今回の起債は、OpenAI向け投資などで膨らむ資金需要に対応し、調達基盤を多様化する取り組みの一環だ。今年は個人投資家向け劣後債やドル建て・ユーロ建て社債も発行し、銀行借り入れのほか、社債市場からも継続的に資金を確保する姿勢を鮮明化。予定額を上回る需要を集めたことは、AI投資に巨費を投じる同社に対し、国内機関投資家からの資金供給力が依然維持されていることを表す。

信用力への見方が持ち直していることも追い風だ。S&Pグローバル・レーティングは今月、半導体設計子会社の英アーム・ホールディングスの株価上昇で財務状況が想定より改善しているとし、ソフトバンクGの格付け見通しを「ネガティブ」から「安定的」に引き上げた。長期発行体格付けは「BB+」に据え置き。

ソフトバンクGはOpenAIへの投資資金として400億ドル(約6兆5000億円)のブリッジローンも組成しており、シンジケーションには新たに21の金融機関が参加したことが明らかになっている。

銀行融資でも資金調達を進めるが、全ての調達手段が順調というわけではない。保有するOpenAI株を担保とするマージンローンについては調達目標額が当初の100億ドルから60億ドルへ縮小され、融資候補先との協議も停滞していた。

(第4段落に最終需要や参加投資家層を追加)

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