(ブルームバーグ):AI投資や景気先行きへの懸念を強める投資家にとって、ここ数年で最も高い期待を上回る好決算でさえ、十分な材料とはなっていない。
ブルームバーグ・インテリジェンスが集計したデータによると、これまでに決算を発表したS&P500種株価指数構成企業の約85%が利益予想を上回り、その割合は過去5年で最高となった。それにもかかわらず、決算発表翌日の株価は、中央値でみると指数を上回れなかった。
欧州でも、市場予想をわずかに上回る程度の決算を発表した企業の株価は、平均するとほとんど評価されていないことが、モルガン・スタンレーの集計で明らかになった。一方、予想に達しないと厳しい反応がみられ、市場予想をわずかに下回った銘柄は平均を4.7ポイント上回る幅で指数をアンダーパフォームした。
パリを拠点とするエコフィの株式ファンドマネジャー、カレン・ジョルジュ氏は「第1四半期決算が非常に好調だったため、市場の期待値は極めて高くなっている。その結果、予想を上回る決算に対する市場の反応はやや鈍い」と指摘した。

例えば、アナログ半導体最大手、米テキサス・インスツルメンツ(TI)は市場予想を上回る業績見通しを示したにもかかわらず、株価は3.1%下落した。ノキアはIPおよび光通信事業の成長見通しを引き上げなかったことが失望を招き、株価は5.1%下落した。
アナリストはS&P500構成企業の第2四半期利益が前年同期比23%増加すると予想しており、過去最高水準に迫る伸びとなる見込みだ。欧州企業の利益も過去3年で最も高い伸びを示すと見込まれている。
決算発表シーズンが始まる直前に欧米の主要株価指数がそろって過去最高値を更新していたことから、好材料の多くは既に株価に織り込み済みだったと一部の市場参加者はみている。
米大手銀行を皮切りに先週決算発表シーズンが幕を開けて以降、S&P500種は約1.4%下落。ストックス欧州600指数はほぼ横ばいで推移している。
一方、米国とイランの緊張が再び高まったことで原油価格が上昇し、インフレや景気の先行きへの懸念が強まっている。米国では、AI開発に投じられる数千億ドル規模の支出に対する警戒感も高まっている。
株式市場の次の焦点は、マイクロソフトやメタ・プラットフォームズ、アップルなど大型テクノロジー企業が来週発表する決算だ。
iフォレックスのシニア・マーケット・アナリスト、マイケル・ヒューソン氏は「来週決算を発表する大手テクノロジー企業はそろって市場予想を上回る可能性があるが、相場はおそらく上昇しない。期待は既に株価に織り込まれているからだ」と指摘。「設備投資に対する警戒感は非常に強く、焦点は業績見通しだ」と述べた。
原題:Profits Are Beating a High Bar and Traders Still Aren’t Enthused(抜粋)
--取材協力:Julien Ponthus.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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