(ブルームバーグ):米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は、データセンター向けの新製品を発表した。競合するエヌビディア製品を上回る性能を備えるとしており、急拡大するAIコンピューティング市場でシェア拡大を目指す。
23日の会社イベントで、AMDは新世代マイクロプロセッサーと改良型AIアクセラレーター、新たなサーバー設計を披露した。いずれも現行製品を大幅に強化したもので、競合製品に対して優位性があると説明した。
AMDは、エヌビディアに大きく後れを取る競合企業という立場から脱し、本格的に対抗できるとの自信を強めている。エヌビディアの技術はAIデータセンターの大規模な整備を主導し、数千億ドルの売上高を生み出してきた。両社とも顧客の旺盛な需要は衰えないとみており、より高性能な半導体の開発を競っている。
ただ、投資家の反応は懐疑的だった。AMD株は同日のプレゼンテーション中に約3.5%下落した。それまでは株価が年初来で2倍余りに上昇しており、期待の高さがうかがわれた。

AMDは、会長兼最高経営責任者(CEO)のリサ・スー氏の下で目覚ましい成長を遂げており、ウォール街は成長ペースがさらに加速すると予想している。それでも、エヌビディアへの挑戦は容易ではない。AMDは有力な対抗馬と広くみられているが、エヌビディアの成長はなお速く、四半期売上高はAMDの年間売上高を上回る。
AIソフトウエアの学習や実行に使うAIアクセラレーター市場は、2030年までに1兆4000億ドル(約229兆円)に拡大するとAMDは予測した。従来型のデータセンター向け製品である中央演算処理装置(CPU)の市場規模は、30年に2200億ドルに達する見通しだ。AMDは同年、全体で2兆ドル規模に達する市場で競争するとみている。
サンフランシスコで開かれたイベントでは、大手テクノロジー企業の幹部がスーCEOと共に登壇し、AMD製品を採用する方針を表明した。主要なAIサービス企業であるアンソロピックとOpenAIの幹部も姿を見せた。
AMDは新たなサーバーラック「ヘリオス」も披露した。最大72個の「MI400」シリーズのアクセラレーターを搭載する。同シリーズの「MI455」は、メモリー処理能力に加え、結果を出す速度やコスト効率でも従来製品を大幅に上回るという。サーバーメーカーがこの設計を採用し、自社製品として販売する予定だ。
OpenAIの幹部、サチン・カッティ氏は、AIインフラの増強を急ぐ中、ヘリオスを「極めて大規模に」導入する見通しだと述べた。
カッティ氏は壇上でスーCEOに対し、「ご存じの通り、もっと多くのコンピューティング能力が今すぐ必要だ」と語った。
一方、サーバー向けプロセッサー「EPYC」シリーズには、新設計の「Venice」を投入する。エヌビディアの競合製品「Vera」に対する大幅な優位性を維持できるとAMDは説明した。エヌビディアはこれまで、「Vera」によって自社が優位に立つと主張していた。
セレブラスとの提携
AMDはまた、米AI半導体メーカーのセレブラス・システムズとの提携を発表した。高速な応答を重視するAI企業向けに、ヘリオスとセレブラス製サーバーを組み合わせて提供する。
ヘリオスに搭載されたAMD製品が指示(クエリ)を処理し、セレブラスのサーバーに搭載された大容量メモリーを備える半導体が回答を迅速に生成する。
新システムはまず10-12月(第4四半期)から、セレブラスが保有するデータセンターに導入される。その後、他のAI企業にも販売する。
この発表を受け、23日のセレブラス株は一時12.7%高となり、4.9%高で取引を終えた。
セレブラスのアンドリュー・フェルドマンCEOは、指示の処理と回答の生成を別々の半導体で分担する仕組みを、両社がエヌビディアに先駆けて投入すると述べた。エヌビディアも、米AIスタートアップのグロック(Groq)から取得した資産を活用し、同様の仕組みを提供する計画だ。
セレブラスは数カ月にわたり共同製品を開発しており、競合に先行できるとの確信があるとフェルドマン氏は説明した。
「当社が最初に市場投入する。強い自信がある」と述べ、「速度を何よりも重視する顧客向けの製品だ」と語った。
原題:AMD Unveils New Products in Pursuit of $2 Trillion Market (3)(抜粋)
もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
©2026 Bloomberg L.P.