米OpenAI元幹部のミラ・ムラティ氏が率いるAIスタートアップ、シンキング・マシーンズ・ラボが創業から1年余りを経て、初のAIモデル「インクリング(Inkling)」を公開した。

同社は15日の発表で、新モデルはテキストや画像など異なる形式の情報を処理できる汎用(はんよう)性を備え、コストと性能のバランスを重視した効率的な設計だと説明。開発者が学習データやソースコードを見ることなく、モデルをダウンロードしてカスタマイズできるオープンウエートモデルとしている。

発表によると、インクリングは同様のオープンウエートモデルと比べ、各種ベンチマークで高い性能を示した。同社はインクリングについて「幅広い分野で高い性能を発揮できるよう」学習させたと説明する一方、「現時点ではオープン、クローズドを問わず最高性能のモデルではない」としている。

同社は昨年2月、ムラティ氏とOpenAI出身者らによって設立された。OpenAIやアンソロピックと競合する高度なAIソフトウエアの開発を目指す、いわゆる「AIネオラボ」の一社に位置付けられている。シンキング・マシーンズを含め、こうした企業の一部は、製品を公開する前から投資家から巨額の資金を調達している。

ムラティ氏のスタートアップは昨年、企業価値120億ドル(約1兆9500億円)で20億ドルを調達し、その後さらに大規模な資金調達について協議していると報じられていた。その後、複数の社員が同社を離れ、メタ・プラットフォームズやOpenAIへ移籍している。

競争力のあるオープン型AIモデルの投入では、中国の開発企業が米国勢をリードしているとみられている。こうした中、シンキング・マシーンズの新モデルは、米国で手薄になっているオープン型AIモデル市場を補う存在となる可能性がある。

原題:Murati’s Thinking Machines Releases First AI Model for Broad Use(抜粋)

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