(ブルームバーグ):米国とイランの戦闘再開を受け、ホルムズ海峡ではここ数日、船舶が位置情報を発信しないまま通航するケースが相次いでいる。一方、位置情報によって確認可能な航行は減少している。
ブルームバーグ・ニュースが調査会社ケプラーの暫定データを分析したところ、12日にホルムズ海峡を通過した6隻は、いずれもトランスポンダ(位置情報発信装置)を停止した状態で航行していた。それ以前の3日間も、いわゆるダーク航行が、位置情報を確認できる通航数を上回った。
船舶自動識別装置(AIS)の信号に基づく船舶追跡データによると、13日朝にはホルムズ海峡を通航する船舶は確認されなかった。ただ、ここ数日は、最後に位置情報を送信した場所とは反対側のペルシャ湾またはオマーン湾で船舶が再び確認され、トランスポンダを停止したままホルムズ海峡を通過したとみられるケースが相次いでいる。
ホルムズ海峡通航時に位置情報の発信を停止する動きが広がっている背景には、米国とイランが報復攻撃を応酬する一方、ホルムズ海峡の支配権を巡って双方が異なる主張を展開していることがある。
米国が支援するオマーン沿岸の南側航路では、位置情報を発信したままの通航は完全に途絶えた。この航路で最後に通航が確認されたのは先週8日だった。一方、イランが安全航路に指定する北側航路では、11日まで少数ながら通航が続いていた。
イランはオマーン沿岸航路を利用する船舶への攻撃を相次いで実施しており、トランスポンダを停止していた船舶も標的となった。こうした攻撃が南側航路の利用を敬遠する動きを招いたとみられる。船主に残されたもう一つの選択肢は北側航路だが、この場合はイランが課す費用負担に加え、米国から制裁を受けるリスクにも直面する。
ホルムズ海峡でのダーク航行が広まり始めたのは4月中旬だった。アラブ首長国連邦(UAE)が、位置情報の発信を停止したタンカーでペルシャ湾から原油を搬出し始めたためだ。この動きは、戦争初期に懸念されていたほど石油不足が深刻化しなかった一因だった。
一方、イランと米国はこの週末、ホルムズ海峡が航行可能かどうかについて異なる見解を示した。イランは、ホルムズ海峡の通航にはイランの機関から許可を得る必要があると表明した。一方、米中央軍は、船舶が自由に海峡を通航できる経路は依然として確保されていると強調した。
過去7日間にイラン軍は4隻の船舶を攻撃しており、いずれもオマーンのムサンダム半島の北東側で発生した。これらの船舶はいずれも、米国が支援するオマーン沿岸航路を利用していた可能性が高い。イランの革命防衛隊は12日夜、違法な航路を航行して海峡の航行安全を脅かしていたと判断した2隻を拿捕(だほ)したと発表した。
原題:Ships Pass Through Hormuz in Secret as US and Iran Trade Strikes(抜粋)
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