(ブルームバーグ):原油相場は9日の取引で下落。市場では、米国とイランの軍事衝突は限定的な規模にとどまるとの見方が広がり、イランのエネルギーインフラが再び攻撃対象になるとの当初の懸念が和らいだ。
ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物8月限は、前日比で1.44ドル(約2%)下落し、1バレル=72.08ドルで取引を終えた。前日に5.2%急伸した北海ブレント先物9月限は、1.72ドル(2.2%)安の76.30ドル。
米国が2日連続でイランを攻撃したことを受け、ホルムズ海峡では9日、確認された船舶の往来が大幅に減った。船舶追跡データによれば、ホルムズ海峡で確認できた船舶の動きの大半がイランの承認を受けた海峡北側寄りの航路に集中した一方、米国が支援するオマーン側の航路は閑散としていた。
大型船では、ペルシャ湾を出航する米国の制裁対象となっている超大型タンカー1隻と、イラン船籍のコンテナ船1隻のみが海峡内で確認された。ただし、一部の船舶は船舶自動識別装置(AIS)の送信機を停止した状態で航行している可能性がある。
それでも市場では、米国がイランのエネルギーインフラを攻撃対象から外したことが安心材料となり、船舶の往来は近く回復するとの見方が広がった。
CIBCプライベート・ウェルス・グループのシニア・エネルギー・トレーダー、レベッカ・バビン氏は「一夜明け、情勢はエスカレートの度合いがやや弱まり、攻撃も比較的限定的だった」と指摘。「現時点では、投資家は状況が徐々に正常化するとの見方を維持している。最近の展開でそのシナリオは後ずれする可能性はあるが、覆されたわけではない」と語った。
今回の攻撃は、米国とイランが紛争の懸案解決に向けた60日間の交渉期間を設ける暫定和平合意に署名してから約3週間後に行われた。交渉ではこれまでのところ大きな打開には至っていない。
マッコーリー・グループのビカス・ドウィベディ氏らストラテジストは9日付のリポートで、「米国とイランの間で再燃した中東情勢の緊張は比較的短期間で収束する」との見方を示した。そのうえで、「相場上昇局面で売りを入れることはリスク・リターンの観点から妙味に乏しい。この日の出来高は、ショートカバーが始まったことを示唆している」と述べた。
原題:Oil Falls as Traders Expect US-Iran Conflict Will Stay Contained(抜粋)
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--取材協力:松山かの子.
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