米ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁は9日、米国のインフレ要因の中でAIが押し上げる需要を最も注視していると語った。その需要が持続すれば、連邦準備制度理事会(FRB)は利上げを迫られる可能性があると述べた。

ウィリアムズ総裁はニューヨーク連銀主催のイベントで、「これが供給に対して需要を持続的に押し上げ、インフレ圧力につながるのであれば、そうした状況を一時的なものとして見過ごすことはできない」と話した。インフレ率が自身の基本シナリオよりも持続的かつ大幅に高くなれば、「金融政策で対応する必要がある」と語った。

「一方、そうならずにもっと穏やかな展開となれば、金融政策は適切な位置にあり、今後もその状態が続くと考えている」と述べた。

ニューヨーク連銀のウィリアムズ総裁

ウィリアムズ総裁はインフレ動向を見極める上で、FRBが重視する個人消費支出(PCE)価格指数のコア指数が2026年後半に前月比0.2%上昇のペースになれば、インフレが年率2%目標に向けて順調に鈍化していることを示すと指摘した。

「今年後半のコアPCEの伸び率が月0.2%であれば、ディスインフレの進行が続いているとの私の見方と一致する」と述べた。「それを上回れば、インフレがやや根強いことを示す兆候になる」と語った。

FRBは今年、政策金利を据え置いているが、当局者の間では利上げを支持する声が広がりつつある。6月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合後に公表した最新の経済予測では、9人の当局者が2026年に少なくとも0.25ポイントの利上げを見込んだ。8日に公表された同会合の議事要旨によると、数人の当局者が同会合での利上げの根拠があるとの認識を示していた。

議事要旨では、政策当局者が将来のインフレに関するさまざまなシナリオに対し、どのように対応すべきかを協議していたことも明らかになった。

ウィリアムズ総裁はこうした議論や議事要旨の内容について、経済情勢をどう捉え、特定の状況にどう対応するかという枠組みを示す「政策当局全体の反応関数」を表したものだと述べた。「さまざまなシナリオを幅広く検討していることが示されている」と語った。

ウォーシュFRB議長は新たなアプローチが必要だと訴え、コミュニケーションやバランスシート、インフレモデルを見直すほか、生産性やデータソースといった重要課題を検討するための作業部会を設置すると発表した。ウォーシュ議長は、各作業部会が約6カ月以内に改革案を取りまとめる予定だと述べた。

FOMCの副議長でもあるウィリアムズ総裁はこうした作業部会について、FRBの重要分野を検討する「またとない、時宜を得た」機会だと評価した。その上で、「報告書を約6カ月で取りまとめるという、かなり意欲的な日程だ」と述べた。

原題:Fed’s Williams Says AI Is Now His Main Inflation Concern (2)(抜粋)

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