米国とイランが攻撃と報復を応酬し、戦争への逆戻りを懸念する声が強まっている。外交的解決に向けた取り組みはほとんど進展せず、米軍は2日連続でイランを攻撃し、イランもペルシャ湾の米国の同盟国に報復した。

米中央軍はXへの投稿で、ホルムズ海峡で商船を攻撃するイランの能力を「さらに低下させる」ため、8日の攻撃では約90カ所を狙ったと明らかにした。その前日には80カ所を標的に攻撃している。

イランは、イラン北東部マシュハドへ首都テヘランからつながる2本の鉄道橋と、原子力発電所の外周部が攻撃を受けたと発表した。マシュハドではハメネイ前最高指導者の葬儀が行われ、9日に埋葬された。

イラン学生通信(ISNA)によれば、イランはバーレーンやクウェート、カタールの米軍基地を標的に攻撃した。ヨルダン国営テレビによると、ヨルダンはイランが発射したミサイル8発を迎撃した。

トランプ米大統領は8日、イランとの暫定的な停戦は終わったとの認識を示した。両国の軍事衝突が再燃する可能性がある。

トランプ米大統領は大統領専用機「エアフォース・ワン」で記者団に対し、米国とイランが全面戦争に逆戻りするのかと問われ、「分からない。だが、そうなればわれわれは極めて短期間で勝利するだろう。勝つ方法はいくらでもある」と述べた。

今回の攻撃は、米国とイランが紛争の懸案解決に向けた60日間の交渉期間を設ける暫定和平合意に署名してから約3週間後に行われた。交渉ではこれまでのところ大きな打開には至っていない。また、ハメネイ前最高指導者の葬儀が1週間の日程で行われている間は交渉が中断されていた。

イランのプレスTVによれば、同国の革命防衛隊は、さらに攻撃を拡大する可能性があると警告した。これより先にはガリバフ国会議長がXへの投稿で、「米国は依然として、威圧や約束の破棄には代償が伴うことを学んでいない」と警告し、「はっきり言う。攻撃すれば、反撃を受ける」と続けた。

カタール外務省の声明によると、ムハンマド首相は、イランのアラグチ外相との電話会談を行い、過去2日間にわたる米国とイランの軍事的緊張の高まりについて協議した。ムハンマド首相は、ホルムズ海峡における商船への攻撃は信頼を損ない、地域の安全保障に向けた取り組みを阻害するものだと伝えた。

ハメネイ師の葬儀終了

イランは、4カ月余り前に米国とイスラエルによる空爆で暗殺されたハメネイ師の葬儀を終えた。葬儀は米国との戦闘が再び激化する中で執り行われた。

故ハメネイ師の葬儀を前に集まる人々(イラン・マシュハド、7月9日)

ハメネイ師は9日にマシュハドで、シーア派イスラム教の最も重要な聖地の一つであるイマーム・レザー廟に埋葬された。周辺の通りは大勢の参列者で埋め尽くされた。綿密に計画された6日間の式典と追悼行事は、埋葬をもって締めくくられた。一連の行事は、イランが体制打倒を狙った戦争に直面する中、政権としての結束と屈しない姿勢を示す場として演出された。

葬列はイランとイラクの計5都市を巡った。これに先立ち開かれた比較的小規模な式典には、中国、ロシア、インドなど主要な支援国の政府高官が出席した。戦争初期にイランの報復攻撃を受けた湾岸諸国の一部も代表団を派遣した。

ハメネイ師の息子で後継者となったモジタバ・ハメネイ師は、式典が終盤に差し掛かる中でも、身を隠したままだった。米国とイランの暫定和平合意が最大の試練を迎える中、なお緊張が続いていることをうかがわせた。モジタバ師は新たな最高指導者に指名されて以降、公の場にも映像にも姿を見せておらず、健康状態や米国との交渉への関与に疑問が生じている。

原題:US, Iran Trade Airstrikes as Fears Grow of a Return to War (1)、US, Iran Trade Airstrikes as Fears Grow of a Return to War (3)、Khamenei’s Funeral Concluded Amid Renewed US, Iran Fighting (1)(抜粋)

(3段落目以降に攻撃を巡るイラン側の発表やハメネイ師葬儀終了を追加して更新します)

--取材協力:Eltaf Najafizada、Omar Tamo.

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