(ブルームバーグ):トランプ米大統領は、欧州に駐留する米軍の規模について、グリーンランドやイラン戦争を巡る自身の懸念に同盟国がどう対応するかを見極めたうえで判断する考えを示した。集団安全保障への米国の関与を巡る北大西洋条約機構(NATO)加盟国の懸念が一段と強まる可能性がある。
トランプ氏は、トルコの首都アンカラで開かれたNATO首脳会議からの帰途、ワシントンへ向かう大統領専用機内で記者団に対し、「最終判断はまだ下していない」と語った。
その上で、「多くはグリーンランド次第だ」と述べ、グリーンランドを巡って「非常によい合意」を得られる可能性があるとの認識を示した。また、「多くはイランに左右される」と語った。
NATO首脳会議でトランプ氏は、防衛費の負担や米国の対イラン戦争への協力に消極的だったことに加え、NATO加盟国デンマークの自治領グリーンランドを巡る加盟国の対応を厳しく批判した。トランプ氏は以前から、グリーンランドは米国の安全保障に不可欠だと主張しており、その姿勢は同盟国の反発を招いてきた。
トランプ氏のグリーンランドへの執着は、今年、スイス・ダボスで開かれた世界経済フォーラム(WEF)年次総会で頂点に達した。欧州各国では、武力でグリーンランドを手に入れようとするのではないかとの懸念が広がった。トランプ氏は8日にもこの問題に言及し、グリーンランドを巡るNATOの対応について「非常に不満だ」と述べた。
加盟国はアンカラで米国への働きかけを強めた。信頼できるパートナーであることを訴えるとともに、総額数十億ドル規模の防衛契約も発表した。首脳会議を前に各国政府は、トランプ氏がNATOへの米国の安全保障上の関与を縮小するのではないかと警戒していた。イラン戦争によるエネルギーショックの影響や、5年目に入ったロシアによるウクライナ侵攻など、加盟国はすでに複数の課題に直面している。
そうした不安に拍車をかけているのが、米国防総省が進める6カ月間の欧州兵力態勢見直しだ。米軍当局は、機甲旅団戦闘団の今後の派遣を取りやめたほか、有事の際に欧州へ展開する戦力や装備を縮小した。
ヘグセス米国防長官は先月、ブリュッセルのNATO本部で、この見直しを発表した。
米国は現在、欧州に約8万人の兵士を駐留させている。2022年のウクライナ侵攻後に増強され、ドイツ、ポーランド、イタリア、ルーマニア、バルト地域などに部隊を配置している。一方、欧州の同盟国も防衛費を増額し、兵器や装備の調達を加速させている。
トランプ氏は8日、「実際には、大規模な戦闘が必要な状況ではない。ただ、一部はイラン次第だ」と述べた。そのうえで「彼らには支援する機会があったが、そうしなかった。ただわれわれとしては、そのことはもう忘れることにしている。今になって彼らは支援したがっている」と語った。
原題:Trump Says Troop Levels in Europe Will Depend on Greenland, Iran(抜粋)
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