(ブルームバーグ):債券投資家の間で、投資対象を自由に選べる柔軟な運用ファンドへの投資が増えている。クレジット市場のバリュエーションが高水準にあり、投資判断を誤る余地がほとんどなくなっているためだ。
運用対象に制約のないファンド(アンコンストレインド)は、2022年のインフレショックでの大きな打撃を経て、再び資金を集めている。モーニングスターのデータによると、米国では非伝統的な債券ファンドの運用資産残高が今年に入って約6%増加し、2024年末比では18%増えた。欧州でも、グローバル・フレキシブル債券ファンドの運用資産が今年約10%増加している。
世界最大級の運用会社の一つ、パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO)も、この需要を取り込もうとしている。同社が新たに設定した「ゴー・エニウェア・ファンド」は、指数に連動せず、ほぼあらゆる資産に投資できる。ピムコのポートフォリオマネジャー、アンドリュー・ボールズ氏は、運用上の制約を取り払ったのは、現在の世界情勢を反映したものだと語る。「各国・地域で異なる金融政策サイクル、財政政策の違い、地政学的緊張」があり、それが市場の各分野のパフォーマンス格差につながり得るという。
柔軟な運用ファンドを好む投資家層が拡大している背景には、イラン戦争の影響からほぼ完全に回復したクレジット市場でバリュエーションが割高となり、投資家が突発的な売り圧力に対して、よりぜい弱になっていることがある。市場指数を機械的に再現し、望ましくない資産まで保有する恐れがある低コストのインデックス連動型ファンドよりも、社債を中心にあらゆる債券へ投資できる自由度を持つ運用会社の魅力が増している。
リスクは8日にも浮き彫りになった。トランプ米大統領がイランとの停戦は終わったと述べたことを受け、クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のスプレッドは拡大した。欧州と米国では、デフォルトに対する保証コストが金融危機後の最低水準近辺から上昇した。
JPモルガン・チェースの資産運用部門でアンコンストレインド債券ファンドの運用に携わるイアン・スティーリー氏は、中東で最近再び高まっている緊張について「単なる小競り合いなのかどうかは分からない」としたうえで、こうした相場変動は、自ら選んだ銘柄を保有する運用手法の正当性を裏付けるものだと強調した。
スティーリー氏は、「今の世界では、時折こうした混乱が起きる。インデックスに基づく運用手法を取るよりも、当社のクレジットアナリストの分析に基づき、適切な銘柄を保有していることを確認する方が、はるかに望ましい」と語った。
ブルームバーグの分析によると、米ドル建てのフレキシブル債券ファンドの2026年のリターンは1.46%だった。これに対し、ブルームバーグの世界債券指数は、米ドルヘッジベースで0.7%の上昇にとどまった。
原題:Pricey Credit Markets Fuel Rise of Funds That Can Buy Anything(抜粋)
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