(ブルームバーグ):香港は、新たな金清算システムの試験運用を開始した。複数の大手銀行が支援する同システムは、価格決定力を持つ主要な地金取引ハブを目指す香港にとって重要な一歩となる。
香港の李家超(ジョン・リー)行政長官は7日、「香港FIC&ボンドコネクト・サミット」で、この仕組みは香港が金取引の世界的な参照価格の形成に寄与するための土台作りになると述べた。
ブルームバーグ・ニュースが5月に最初に報じた通り、香港は試験運用を今月開始したことで、アジア有数の金取引ハブを目指す動きで先行者優位を確保した。シンガポールは先月、年末までに清算システムを構築する同様の構想を明らかにしている。
両都市とも、アジアの旺盛な金需要を取り込もうとしている。アジアでは多くの投資家が、代替的な価値保存手段として金の長期見通しに強気な姿勢を維持している。
李長官によると、政府が出資する香港貴金属中央結算系統有限公司が「金の預け入れや引き出しから店頭市場における取引決済まで、包括的なサービス」を提供する。
参加金融機関11行の一つであるHSBCホールディングスのジョルジュ・エレデリー最高経営責任者(CEO)は同イベントで、同行が香港で金の保管能力を「かなり迅速に」200トンまで引き上げると述べた。
複数年にわたる強気相場は今年に入り、いったん勢いを失った。中東での戦争でエネルギー価格が急騰し、インフレ懸念が強まったためだ。これにより各国中央銀行が利上げに動く可能性が高まり、利息を生まない金には逆風となった。ドル高も重しだ。米ドル建てで取引される金は、ドル以外の通貨を使う多くの買い手にとって割高になるためだ。
ただ、複数の大手銀行はここ数週間に金価格予想を引き下げたものの、年末時点の予想はなお足元のスポット価格を上回る。準備資産の多様化が進むとの見方を背景に、長期的には強気姿勢を維持している。金スポット価格は香港時間7日午後0時40分(日本時間同午後1時40分)時点で、1オンス=4130ドル近辺で推移していた。
試験運用の開始を前に、香港の清算システムに参加する11行のうち少なくとも4行が、現物受け渡しに備えた在庫を積み上げるため、大型の金地金を輸入した。400オンスの金地金はロンドン市場では標準的に取引される一方、アジアでは一般的ではない。このため香港の輸入量は、通常なら季節的に低迷する時期にもかかわらず、2年平均を上回った。
香港はまた、清算システムへの参加を一部の中央銀行にも呼びかけている。中国の「一帯一路」構想に既に関与している国を対象に、中央銀行の参加によって地金ハブとしての信頼性を高める狙いだ。一方、シンガポールは10月までに中央銀行向けの保管サービスを導入する計画だ。
原題:Hong Kong Begins Trial Operation of New Gold Clearing System (1)(抜粋)
--取材協力:Jessica Zhou.
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