財務省が7日に実施した30年利付国債入札は、投資家需要の強弱を反映する応札倍率が2019年以来の高水準となった。利回りの高さから需要が集まった。市場参加者の間から「強い結果だった」との声が出ている。

応札倍率は4.55倍と低調だった前回(2.94倍)から大きく上昇した。最低落札価格は100円05銭で市場予想の99円75銭を上回り、小さいと入札の好調を示すテール(落札価格の最低と平均の差)は4銭と、前回(38銭)から縮小した。

入札結果を受けて、長期国債先物9月物は前日比24銭高の127円19銭まで上昇。午前に上昇(価格は下落)していた新発30年債利回りは一時7ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低い4.005%まで低下した。その後は高値警戒感から売りが出て先物は下落に転換、終値は14銭安の126円81銭となった。

SMBC日興証券の田未来シニア金利ストラテジストは「応札倍率、最低落札価格、テールのどれをとっても強い結果だった」と語る。利回りが歴史的水準に上昇していることを背景に「年金や生命保険会社などリアルマネーが入ったのだろう」と言う。

りそなアセットマネジメントの藤原貴志チーフファンドマネジャーは「4%という数字は市場参加者の間ですごく意識されていた。入札の表面利率がこの水準になり、絶好の買い場になった」と話す。

転換点か

2日に行われた10年利付国債入札は、財政拡張や日本銀行の政策がインフレに対し後手に回るビハインド・ザ・カーブへの懸念などから弱めの結果となった。これを受け年限の長い国債を中心に金利が上昇。新発10年債利回りは6日に2.83%を付け、1996年以来の高水準を更新した。

債券市場で財政、金融政策に対する懸念が改めて強まるきっかけとなったのが骨太ショックだ。政府が6月30日の経済財政諮問会議で示した「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」原案で、財政に関し毎年言及してきた「財政健全化」の文言を削除。金融政策については、強い経済の実現に向け適切に行われることが「非常に重要」と明記した。

城内実経済財政担当相は7日の閣議後会見で、財政拡張路線のために政府が低金利に誘導しているという見方について「そのような事実は全くない」と否定した。

SMBC日興の田氏は「城内氏の発言も30年債入札の安心材料になった」と指摘。その上で「超長期金利のスティープ(傾斜)化はこれで止まり、フラット(平たん)化に向かう転換点になる可能性がある」と話す。

りそなアセットの藤原氏も「入札が続くため超長期金利がすぐに大きく下がることはないだろうが、来週の20年債入札を乗り切れば需給で売る局面は終わる」とみている。

(3段落の市況を更新します)

もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp

©2026 Bloomberg L.P.