(ブルームバーグ):サッポロビールは6日、デンマークのビール大手、カールスバーグと東南アジア・香港で戦略的な資本業務提携を結び、合弁会社を設立すると発表した。海外事業の苦戦が続く中、不動産売却で得た資金を元手に成長市場で巻き返しを図る。
発表によると、サッポロビールはシンガポールに12月設立予定の合弁会社に約6億4300万ドル(約1029億円)を出資し、25%を取得する。合弁会社を通じて東南アジア・香港での事業を共同で展開し、ベトナムの生産拠点では能力増強も進める。
両社の関係は今回が初めてではない。23年には香港、シンガポール、マレーシアで販売代理店契約に向けた合意書を締結し、24年からカールスバーグの販売網を活用して「サッポロプレミアムビール」の販売を始めていた。今回の資本提携で、ラオス、ベトナム、カンボジアを含む市場を追加し、35年までに同製品の販売数量を25年対比で約10倍に拡大することを目指す。
みずほ証券の佐治広シニアアナリストは、「カールスバーグのような販売力のある会社とアセットライトで連携をしていくことが海外展開では一番リターンが大きい」と指摘。世界の酒類市場が厳しい中で、逆張りで大型の買収をすることは市場から評価されにくいとの見方を示した。
サッポロは昨年12月、恵比寿ガーデンプレイスなどを保有する不動産子会社を投資ファンドの米KKRとアジア系PAGの陣営に、借入金も含めて4770億円で売却することを決定した。売却で得た資金は海外酒類事業など成長分野への投資に充てる方針を示しており、今回の出資はその具体化となる。
一方、海外展開では苦戦も続いてきた。17年に買収したアンカー・ブリューイング・カンパニーを24年に解散。22年に傘下に収めた米クラフトビールのストーン・ブリューイングでも、24年12月期に「のれん」の減損損失139億円を計上し、今年4月には事業を売却すると発表した。
国内の酒類市場の縮小が続く中、ビール各社は成長余地の高い海外への進出を急ぐ。アサヒグループホールディングスも東アフリカで酒類事業を取得するなど、新興国市場への投資を進めている。
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