(ブルームバーグ):ユーロ圏のインフレ率が予想以上に低下した。中東で和平に向けた動きが進展し、エネルギー価格が世界的に下落していることが背景にある。
欧州連合(EU)統計局ユーロスタットが1日発表した6月のユーロ圏消費者物価指数(CPI)上昇率は前年同月比2.8%で、5月の3.2%から伸びが鈍化。ブルームバーグが調査したエコノミスト予想中央値の3.0%にも及ばなかった。
食品やエネルギーなど価格変動の大きい項目を除くコアインフレ率も予想以上に減速し、注目度の高いサービス価格の上昇率も3.2%へと大きく低下した。
短期金融市場は引き続き、9月までに0.25ポイントの追加利上げがある確率を50%余りと見込んでおり、年末までではほぼ100%として織り込んでいる。ドイツ債は下落し、10年債利回りは2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の2.88%近辺で取引されている。

欧州中央銀行(ECB)は米国とイランの戦争によって生じたインフレ圧力を抑え込む上で、2023年以来初となった6月の利上げだけで十分かどうかを検証している。
6月の統計では、ユーロ圏の主要3カ国すべてでインフレ率が市場予想を下回ったことがすでに明らかになっていた。とりわけフランスでは、インフレ率がECBの目標である2%まで急低下した。
それでも政策当局者は慎重な姿勢を崩さず、原油や天然ガスの価格上昇による影響は時間差で表れると警告している。ECBチーフエコノミストのレーン理事は6月30日、ここ数カ月間に生じたエネルギーコストの上昇が、どのように「食品価格やサービス価格のインフレに波及してくるか」を見極める必要があると述べた。
ブルームバーグ・エコノミクスのユーロ圏担当シニアエコノミスト、デービッド・パウエル氏は「インフレ率は予想外に下振れした。原油価格の下落が続けば、インフレ率は5月でピークを付けたことが示唆され、追加利上げの論拠は弱まったと考えられる」との見方を示し、「ラガルド総裁は最近、9月利上げをなお支持していることをうかがわせるコメントを発したが、実施されるとしてもそれで恐らく短い引き締めサイクルの終わりとなるだろう」と論じた。
原題:Euro-Zone Inflation Slows More Than Expected as Oil Retreats (2)(抜粋)
(第4段落に市場の動きを挿入し、第7段落以降を加えます)
--取材協力:市倉はるみ、Joel Rinneby.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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