(ブルームバーグ):カナダの代表的な株価指数は、パフォーマンスで米国株の主要指数を2年連続で上回る勢いだ。実現すれば、15年ぶりとなる。
ただ、その実現はS&Pトロント総合指数がS&P500種株価指数に対する優位を維持できるかどうかにかかっている。年初来上昇率は前者が9.9%、後者が9.6%。両指数とも特定の業種が上昇を支えている。米国は半導体株、カナダは銀行株だ。
トロント市場では、今年の上昇分の約6割は、5行の銀行株によるものだ。ロイヤル・バンク・オブ・カナダ(RBC)、トロント・ドミニオン銀行(TD)、モントリオール銀行、カナディアン・インペリアル・バンク・オブ・コマース(CIBC)、バンク・オブ・ノバスコシアの5行だけで指数を約1997ポイント押し上げ、S&Pトロント総合指数全体の3145ポイント上昇に大きく寄与した。
SIAウェルス・マネジメントのチーフ市場ストラテジスト兼ポートフォリオマネジャー、コリン・チェジンスキー氏は「今年前半、カナダの金融株は絶好調だった」と述べたうえで、商品市況の好調が「カナダ経済を下支えし、銀行株の追い風になっている」との見方を示した。

一方、S&P500種では、マイクロン・テクノロジーをはじめとする半導体株の上昇率上位5銘柄だけで、指数上昇分の約6割を占めている。クアルコムやエヌビディアなど他の半導体株も含めると、S&P500種の上昇はS&Pトロント総合指数より集中度が高い。
IGウェルス・マネジメントの最高投資ストラテジスト、フィリップ・ペターソン氏は、カナダ市場はテクノロジー分野の動向よりも景気循環の影響を強く受けるとみている。
6月30日に公表された4月のカナダ国内総生産(GDP)は前月比0.5%増となり、市場予想を上回った。1-3月(第1四半期)のマイナス成長を受けて強まっていたリセッション(景気後退)への懸念は和らいだ。
ペターソン氏は、景気の拡大が続き、カナダや世界で景気後退リスクが極めて低い状況が続けば、市場にはプラスだとする一方、景気が悪化に転じれば、「銀行は逆風に直面し始めるだろう」と話した。
もっとも、この1年間のカナダ株の上昇は、AIブームが相場を主導した米国よりも幅広い業種に支えられてきたとみる。カナダでは金鉱株が相場を押し上げたほか、石油生産関連株やハイテク株も上昇に寄与した。
年後半は、銀行株よりもこうした業種が相場を支える役割を強めるとの見方を示す。ブルームバーグが集計したデータによると、株価純資産倍率(PBR)でみて、カナダの銀行株は世界金融危機以降で最も高い水準にある。
ペターソン氏は「市場全体にはなお上昇余地があるものの、今後は銀行以外の分野が相場上昇を支えることになるだろう」と語った。
原題:Canada Stocks Beating US for a Second Year as Banks Gain (1)(抜粋)
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