(ブルームバーグ):ウォーシュ米連邦準備制度理事会(FRB)議長は今週、欧州中央銀行(ECB)主催のシンポジウムに出席し、国際的な公開討論の場に就任後初めて臨む。
人工知能(AI)関連の過剰投資などが引き金となり、世界的金融危機のような混乱が再び起きるのではないかと懸念される状況で、ウォーシュ議長は7月1日、2008年の金融危機を経験した他のベテラン3人と共に公開討論会に参加する。
ECBがポルトガルのシントラで開催する年次シンポジウムで、ウォーシュ氏はECBのラガルド総裁、イングランド銀行(英中央銀行)のベイリー総裁、カナダ銀行(中央銀行)のマックレム総裁と政策パネルで討論を行う。
金利の先行きの手掛かりに加え、トランプ大統領に指名され、初の連邦公開市場委員会(FOMC)を主宰したばかりのウォーシュ氏と、他の中銀総裁との相性も注目される。
トランプ氏からの攻撃に耐えながら揺るぎない姿勢を貫いた前任のパウエル氏は、昨年のシンポでスタンディングオベーション(総立ちの拍手喝采)を受け、繰り返し称賛された。
AIブームに関係する金融の安定性を巡る不安が、もう一つのテーマとなろう。 カナダ中銀のマックレム総裁は数日前、米国への過剰投資が「痛みを伴う調整を準備しつつある」と警戒を促した。ECBも先月の半期ごとの評価報告で、市場が混乱するリスクについて同様の警告を発した。
ブルームバーグ・エコノミクス(BE)のユーロ圏チーフエコノミスト、シモーナ・デッレ・キアイエ氏は「ウォーシュ氏がラガルド氏、ベイリー氏、マックレム氏と共にFRB議長として初参加することで、議論はインフレの問題にとどまらず、地政学的な不確実性やAIに関係する金融安定リスクという新たな状況に対応しつつ、いかに中銀がイノベーションを促進できるかが中心テーマになりそうだ」と指摘した。
7月3日が独立記念日の振り替え休日となる米国では、2日発表される6月の雇用統計がメインイベントとなる。エコノミスト予想では、非農業部門の雇用者数は前月比11万5000人の増加が見込まれる。実際にそうなれば、過去6カ月の雇用は、最近の約2年で最も好調だったことになる。
賃金の上昇加速や失業率の持続的安定も加わり、FOMCの次の動きが利下げではなく利上げになる可能性が高いという金融市場の見方をほぼ確実に後押しすることになるだろう。

原題:Warsh Makes Debut on Global Stage With Class of 2008: Eco Week(抜粋)
(エコノミストの見解を追加して更新します)
--取材協力:Christopher Condon、Matthew Boesler、Brian Fowler、Laura Dhillon Kane、Monique Vanek、Travis Waldron、Mark Evans、Reade Pickert、Mirette Magdy.もっと読むにはこちら bloomberg.com/jp
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