米国のトランプ政権は23日、原発大手ウェスチングハウス・エレクトリックの設計した原子炉向け設備を発注する電力会社やその他のエネルギー企業に対し、計175億ドル(約2兆8260億円)の融資支援を提供すると発表した。不調の米大型原子炉業界を再活性化する狙いがある。

発表によると、この資金支援は条件付きで提供され、最大5件の融資が実施される。それぞれの事業者は2基ずつ原子炉を建設する計画だ。エネルギー省によると、ウェスチングハウスはすでに7社の候補企業と基本合意書を締結し、建設予定地も決まっている。同省は、最終選定が行われるまで対象となる電力会社名の公表を控えるとした。

トランプ氏は、原子炉をデータセンター向け電力供給と経済成長を支える重要な電源と位置付けている。同氏は昨年、米国の原子力発電容量を現在の4倍の400ギガワットに拡大する目標の下、2030年までに10基の従来型大型原子炉の建設を開始するよう求める大統領令に署名した。

米国では複数の企業が次世代の小型モジュール炉(SMR)の建設を推進している一方、大型の従来型原子力発電所の開発はほぼ停滞している。今世紀に米国で完成した大型原子炉は3基にとどまり、現在建設中のものは1基もない。

発表によると、融資資金は変圧器、蒸気タービン、原子炉圧力容器など、納入までに数年を要する「長納期品」の購入に充てられる。

米国で最後に建設された商業用大型原子炉であるサザンのボーグル原子力発電プロジェクトは、当初予算を160億ドル以上上回り、完成は予定より7年遅れた。

ライト・エネルギー長官は23日、記者団に対し「私たちは再び物事を動かし始めたい。米国で再び大型原子炉を建設していく必要がある」と強調した。

出力規模がギガワット級のAP1000原子炉は、ブルックフィールド・アセット・マネジメントとカメコが所有するウェスチングハウスが開発した。AP1000は、米国で運転されている認可済みの大規模先進商業炉としては唯一のものだ。

カメコのティム・ギッツェル最高経営責任者(CEO)は「米国内でAP1000原子炉の迅速な展開を進めるための適切なインセンティブが整いつつあると思う」とコメントした。

原題:Trump Seeks a US Nuclear Revival With $17.5 Billion in Loans(抜粋)

--取材協力:Jennifer A Dlouhy、William Wade.

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