才能の裏にある“生きづらさ” どう変えていくべき?

小川彩佳キャスター:
ギフテッドという言葉を聞くと、「才能があってすごい」と注目されがちですが、人知れず苦しんでいる子どもたちがいるということも見ていかなければいけないです。

藤森祥平キャスター:
なかなか気づかれなかった点なのかもしれません。

文科省が行ったアンケートでは、このようなギフテッドの事例がありました。

▼特異な才能
8歳で相対性理論を理解
1歳で音楽に合わせ裏拍で手拍子
英単語を1度で覚える

▼直面する困難
授業がつまらなくて不登校に
違いが強調され、いじめの対象に
好奇心が優先でやってはいけない事を繰り返す

藤森キャスター:
これはあくまで一例なので、人によって違い、度合いも様々です。

小川キャスター:
日本はどこか和を重んじる文化もあるので、枠からハミ出ることを是としない空気が、意図せず無意識に広がってしまいがちなところもあります。

斎藤幸平さん:
ニーズに合わせて学年に縛られず、色んな教育を受けられるといいなと思います。逆に普通のカリキュラムにも家庭の理由などからついていけない子たちもいるので、いいものを伸ばすだけでなく逆についていけない子たちをフォローするような仕組みになっていくといいなと思います。

例えば私が去年1年間暮らしていたドイツでは、小学校に上がる学年を1年早めることもでき、遅らせることもできます。

早生まれの家などでは遅らせる子たちもいます。学年と年齢を気にしない社会にしていくことが、能力の違いでいじめなどにならない社会につながるのではないかと思います。

小川キャスター:
それは家庭でどうするのかを決められるんですか?

斎藤さん:
そうです。むしろのびのびしてほしいから、子どもがずっと自信持てるように遅らせるという家も多かったです。

小川キャスター:
興味深いですね。

藤森キャスター:
ギフテッドかそうでないかで分けるよりも、それぞれが伸ばしやすい、そして辛さを分かってもらえる環境づくりが大切なのかもしれません。

斎藤さん:
今の日本は私立で小学校から過剰に競争をして、中3で高3の範囲までをやってしまうというような、実質ギフテッド教育のようなものもあります。私はどちらかというといろいろな人のケアや多様性が受け入れられる社会づくりをする方が、のびのびとした学校現場になっていくのかなと思います。

小川キャスター:
表裏で大事なことですよね。

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<プロフィール>
斎藤幸平さん
東京大学 准教授
専門は経済思想・社会思想
新著にベストセラーの続編『人新世の「黙示録」』