「ギフテッド」…みなさんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。突出した才能を持つとされるこうした小中学生について、大学の講義などを受けることも含めた新たな教育方針の議論が進んでいます。その背景には、当事者が人知れず直面している“生きづらさ”がありました。
“ギフテッド”教育に国が制度案 大学講義を受講可に
都内にあるフリースクール「Lagoon」には、特定の分野で突出した才能を持つ「ギフテッド」と呼ばれる子どもたち約70人が通っています。

「Lagoon」代表 村松麻衣さん(30)
「よくあることとしては知的には高くて、例えば理解力や物事の本質を見抜くような力はものすごく高いが、全ての能力が高いかと言われたらそうではなくて、情緒面やコミュニケーション面は年齢相応となった時に、その知的な能力とそれ以外の本人の能力で、どうしてもアンバランスさが出てしまう」
国の調査では、8歳で「相対性理論」を理解するなど特異な能力を発揮する子がいる一方で、授業のレベルが合わず不登校になるなど、困難に直面するケースもみられました。
実は、代表の村松さん自身もギフテッドの特性があり、中学生の時に不登校を経験しました。


「Lagoon」代表 村松さん
「友達と話していても自分が持つ興味の角度が少し違っていた。当時アイドルがすごく流行っていたが、周りの友達は『アイドルかわいい』とか『かっこいい』と共鳴し合っている中で、私としてはなんでアイドルが流行っているんだろうとか、どういうふうに流行を仕掛けているんだろうというところに関心があって。それがほかの子たちには、興味がないということもわかっていたので、その狭間で揺れるということはあった」
ギフテッドが抱える“生きづらさ”。その解消に向け、国は動き始めています。
文部科学省が6月16日の部会で示したのは、いわゆる「ギフテッド」の小中学生向けの制度案。

普段は同じ学年の子と同じカリキュラムで学びながら、得意な教科について大学の講義をオンラインで受けたり、博物館などのプログラムに参加したりすることを「特例」として認めることなどが盛り込まれています。
対象とする児童生徒は、知能指数などで線引きせず、学校や教育委員会が日ごろの学習や心理検査、本人や保護者の意向を踏まえて総合的に判断します。
文科省の制度案について“ギフテッド”の子を診察している医師は…


どんぐり発達クリニック 藤井明子 院長
「特別な能力・才能があるお子さんに注目したのは良かった。ただ得意なこと、強い好奇心がある領域だけを伸ばすことには注意が必要。彼らの得意なことの裏に、生きづらさや過ごしにくさがある。そこに対する配慮、感覚面が過敏だったら、(学校)現場で調整していくとか、包括的に見る視点を持ち合わせてみていく必要がある」