(ブルームバーグ):欧州中央銀行(ECB)のチーフエコノミストを務めるレーン理事は18日、ユーロ圏の中立金利が2.5%まで上昇している可能性があるとの見方を示した。追加利上げが行われたとしても、経済活動を抑制する水準にはなお達しない可能性を示唆している。
レーン氏はロンドン郊外で開かれたドイツ銀行主催のイベントで講演し、ECBが11日に実施した利上げは、まだ景気抑制効果をもたらしていない可能性があると述べた。同氏は「私たちは中立金利について複数のモデルを参照しているが、レンジ上限が2.25%から2.5%へ上昇したと考えている」と述べた。ECBエコノミストが2025年に示した1.75-2.25%の推計レンジを上回る水準だ。
ラガルド総裁は11日の政策委員会会合後の記者会見で、政策判断に際して中立金利の水準について議論しなかったと説明していた。もっとも、借入コストのどの水準が景気を刺激も抑制もしないのかという理論的な問題は、これまでもECB内部で繰り返し議論されてきた。
アナリストや市場参加者は、ECBが年内にあと1回利上げを実施すると予想している。ただ、ユーロ圏20カ国の景気がすでに減速しつつある中、さらなる利上げが過度な経済的痛みをもたらすとの警告も出ている。
レーン氏は景気見通しについて「安定している」と評価した。ただ、中東からのエネルギー供給混乱による物価ショックは、軍事衝突が終息しても続くとの見通しを示した。同氏は「原油価格が現在下落していても、食品価格や財価格、サービス価格は上昇すると考えている」と述べた。
そのうえで「全体としてのインフレ動向については、目標を上回るインフレが長期間続くとみている」と語った。
講演前日の17日には、米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれた。レーン氏は「われわれは自らの目標達成に必要なことを行う。もちろん米連邦準備制度理事会(FRB)との間に波及効果があることは認識しており、それは考慮している。しかし、波及効果は一方向ではなく、双方向といっておきたい」と強調した。
原題:ECB’s Lane Says Upper Range of Neutral Has Crept Up to 2.5%(抜粋)
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