米銀シティグループは、投資銀行部門のアナリストがアソシエートに昇進するまでの期間を短縮する。バイアウトファンドがウォール街の金融機関から積極的に人材を引き抜くなど、採用競争が激化する中、優秀な人材の獲得・定着を図る取り組みの一環となる。

シティの若手バンカーを対象とするアナリストプログラムは3年から2年に短縮され、上位職への昇進が早まる。同行はこれにより、一部の競合他社と足並みをそろえる。北米投資銀行部門の共同責任者、デービッド・フリードランド氏がインタビューで明らかにした。

狙いは、昇進までの期間を短縮することでシティの若手バンカーがより早く責任ある仕事を任され、より高い報酬を得られるようにすることだ。その結果、競合銀行やプライベート市場の投資会社、ヘッジファンドなど他社からのオファーに応じる可能性も低くなるとみられる。

「プライベートエクイティー(PE)がバンカーのキャリアの非常に早い段階で採用面接を行っている現状は極めて残念で、ある意味失望もしている」とフリードランド氏は述べた。同氏はゴールドマン・サックス・グループに27年間勤務し、昨年シティに採用された。「ウォール街で働き始めて最初の1カ月で、別の分野に進む決断をするのは非常に難しい」と続けた。

今回の措置を受け、若手バンカーの定着を巡る議論が再浮上しそうだ。この問題は昨年、PE各社が採用活動を前倒ししたことに銀行幹部が反発した際に注目を集めた。JPモルガン・チェースでは、入社してまだ数日しかたっていない新人が、同行で義務付けられている新人研修を欠席してPEの採用面接を受けていたことが判明した。

JPモルガンは、入社から18カ月以内に他社からの採用オファーを受け入れたアナリストは解雇すると表明した。また昇進までの期間も短縮し、若手行員に対し、2年半後にアソシエートへの昇進が可能になると伝えた。シティやゴールドマン、モルガン・スタンレーなども、若手行員が他社への転職を決めた場合に申告を義務付ける規則を導入した。

金融業界では若手を取り巻く先行き不透明感が広がっている。単純作業の負担軽減を目的とする新たなAIツールの導入が進んでおり、推進派によれば、バンカーはキャリアのより早い段階から顧客対応に多くの時間を割けるようになるとされる。

シティの投資銀行部門の拡大は、ジェーン・フレーザー最高経営責任者(CEO)の重要課題だ。フレーザー氏は2024年、わずか数日間の協議を経てビス・ラガヴァン氏を起用し、部門拡大を託した。ラガヴァン氏はその後、競合他社から多数のバンカーを採用しており、特に自身の古巣であるJPモルガンからの採用が目立つ。

今回の昇進プログラム前倒しに伴い、シティの現在3年目のアナリストは、勤務実績を条件に1月1日付でアソシエートに昇進する。アナリストからバイスプレジデント(VP)までの標準的な昇進期間は6年半から5年半に短縮される。

原題:Citi Speeds Junior Bankers’ Ascent in Fight With Private Equity(抜粋)

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